wHite_caKe

だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その5〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 本文 あの頃の私が生活の中で、一番楽しみにしていたのは、「午後出張」でした。 帰社せずに直帰できるのが純粋に嬉しかったというのもありますが、何よりも電車の中で眠れるのがありがたかったのです。 普段通勤で使…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その4〜

これまでの分 その1 その2 その3 本文 セキゼキさん(仮名)が繰り返し逃避行を続けた2008年3月27日から28日の二日間を、後に私たちは、「魔の二日間」と呼びました。 セキゼキさんにとってはこの「魔の二日間」は暗くて重い渦のようなもので、未だにしっか…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その3〜

これまでの分 その1 その2 本文 やっと帰ってきたところで、大袈裟に騒ぎ立てたら、セキゼキさん(仮名)はまた外に飛び出していってしまうかもしれない。 そう考えた私は、できるだけ何気ない風を装って、 「おかえりなさい。どこに行ってたの?」 と尋ねま…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その2〜

その1はこちら。 本文 あの晩、私たちはぐるぐると当てもなく三時間ほど歩きまわりました。 セキゼキさん(仮名)は落ち着いたのか、それとも疲れたのか、「もうダメだ、早く終わりたい」と繰り返すのをやめ、黙々と歩くようになっていました。 気がつくと、…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その1〜

2008年3月27日木曜日。 16時頃、私の携帯に、セキゼキさん(仮名)からメールが入りました。 今シロイの最寄り駅の近くにいるから 帰る頃メール欲しい。迎えに行きます 平日のこんな時間、勤務中の筈のセキゼキさんが、一体なぜこんなメールを……? 何かおか…

大和撫子の声 その2

モテてモテてしょうがないが故に、人生がたいへんなコジョウ・ミミエ(仮名)さんのお話第二話でございます。 第一話はコチラとなっております。 考察「大和撫子の声について」 今更これを言うのはなんなんですが、実はミミエさんは際立った美人というわけで…

大和撫子の声 その1

「あなたはモテたいですか、それとも全くモテないほうがいいですか?」 と問われれば、それはやっぱりモテたいと答える人のほうが多い気がするのですね。全くモテない方がいいです私はモテなんて邪魔です、とか言う人はあんまいねーだろーな、つーか。 でも…

FF13の感想で始まる年明け

新年あけましておめでとうございます。 1月1日、元日。こんな日は2009年を厳かに振り返り、2010年の抱負を知的に述べた文章を美しくまとめてブログに載せるのが私の思う「あるべき大人の姿」であり、そういった大事業に二分ほど取り組んでみたのですがあっさ…

暗号ゲームと拡大解釈。曖昧な境界線の上で

レイプ被害についての様々なやりとりが最近、あちこちを賑わせているのです。 この手のやりとりの恐ろしいところは、盛り上がれば盛り上がるほど、男と女というのが無闇に対立するような構造になりやすいところだと思っています。おまけにその構造は男は加害…

カニバル・カーニバルその後

週末、母カイキ(仮名)から電話がありました。 離れて暮らす親子らしい何気ない雑談の合間に、母がぽつりとつぶやきました。 「そういえばあんた、ブログ久しぶりに更新していたね。かなりの長文で」 私はかすれた声で 「ああそうね。アハハ……」 と小さく笑…

ぼくたちわたしたちのカニバル・カーニバル

人肉食について考えたこと、おありですよね? 少なくとも「人肉って美味しいのかな、それともまずいのかな?」とそのくらいのことをちらっと考えたことは、あるはずです。「いやー、一回も考えたことないね」 とおっしゃる方を、私は以下の理由で信用しませ…

少年12歳天命説

過去 以前、プロマジシャンのマーカ・テンドーさんとお話したときのことです。 「テンドーさんて、マジック始めたのまだ子どものときですよね?」 「うん、そうだよ」 「何がきっかけだったんですか?」 「よくある話で、デパートのマジック用品売り場だよ。…

ある種のドッペルゲンガーみたいな〜その2〜

はじめに 一年以上前に書きかけで放置してしまったがゆえに 「もうこれの続き今更いいよね」 と思い始めていたのですが、やはりそうでもないようで 「ドッペルゲンガーの話の続きはどうなったのでしょうか」 というメールその他をいただきましたので、続きを…

集団墓参り

さて、今回私がホラーを求める気持ちになったのは、実は下記のような事柄があったからなのでした。 その四 セキゼキさんの話 その日、私は近所に住むセキゼキさんとの待ち合わせ場所に向かっていました。 すると、前方から「ひえっ、ごめんなさい」という声…

晴れ姿

引き続き、シロイが身近な友人・知人からこつこつ聞き集めたホラー話でございます。 その一はコチラ、その二はコチラとなっております。 話者の身元等を守るため、一部に事実改変がございますので、ご了承ください。 その三 Kさんの話 「うちの職場では、若…

しばらく前から知らないあなた

昨日の話に引き続き、シロイが身近な友人・知人からこつこつ聞き集めたホラー話でございます。 話者の身元等を守るため、一部に事実改変がございますので、ご了承ください。 その二 Yさんの話 「週末の夜で、明日は休みだからって安心して、ダンナと一緒に遅…

嫌な顔

八月も後半となりました。 今年の夏のすごし方で、私が悔いを残しているのは以下の三点です。 すいかを二回しか食べていない。 冷や汁を二回しか食べていない。 ぞっとするホラーにめぐり合っていない。 いずれも好物の摂取量が少ないというお話でして、すい…

違いのわからない女

以前ある用事があって、何人かの友人と連れ立って、一面識もないドミノさん(仮名)という年配の男性のもとをたずねたことがありました。 ドミノさんは資産家の家に生まれ、ご自身も商売で成功したという裕福な方です。多少気難しさを持った方だと伺っており…

偉くなくても強くはなれる

はじめに 今回のお話は、諸々の事情をかんがみまして、だいぶ事実を改変しております。 フィクションと思ってお読みください。 あなたが実際に似た話を知っているとしても、それはおそらく偶然の一致であり、この話とは無関係です。 本文 シロイさん、駅まで…

遠くにありて思うもの

私の故郷はかなりの田舎です。 夜空は澄み切った星の光に満たされて、水は碧くそしてしびれるほどに冷たく、吸い込む空気には木々の緑が溶け込んだ味がします。 美しい場所です。帰るといつもほっとします。 今朝私は妙に早く目が覚めてしまって、中島みゆき…

はじまりはいつも雨。たぶん終わりも

私はよく傘をなくします。傘を買っても大体三ヶ月もてばいいほうで、大抵数回使えばなくします。 そもそも傘は嫌いです。あれは邪魔なものだと思っています。 持ち歩くのも嫌、さして歩くのも嫌。雨が降ってもできるだけ傘は持たずにでかけますし、傘を持っ…

そうだ、断食に行こう

はじめに 私シロイは先月、ちょっと断食をしてまいりました。実はこれは人生二回目の断食でして、2006年5月にも断食を行ったことがあります。 さて。 断食療法ってのは、いろんなところがやっていまして、いろんなプランがあるのですが、前回断食する前に調…

最低な男さんへ

コメント欄に数日前にいらしていた「最低な男」さんへ ちなみに私自身は「最低な男」さんを別に最低だとは思っていません。世の中にはDVとかモラハラとか多重債務とかギャンブル依存とか、上には上というか下には下というか、とにかくもっといろんな最低要素…

近況報告さんにんぶん

シロイ・ケイキ ここ一年でシロイの近辺に何か変わったことがありましたかと問われれば、答えはイエスでありまして、シロイの勤務先は、この世界的大不況の影響をばっちりと受け、従業員はばっちりと大量に首を切られ、その切られた従業員の中に、ばっちりと…

魔女の一撃

シロイです。まだこのブログを見に来てくださっている方、本当にありがとうございます。おひさしぶりでございます。 気がつけば、ここも一年以上更新されていませんでした。 その間にも覗きに来てくださった方がいらっしゃるのでしょう。まことに申し訳ござ…

マーカ・テンドーさんのこと

マーカ・テンドーさんは最も多くの世界タイトルを受賞した日本人マジシャンです。 「ULTIMATE MANIPULATOR(究極のテクニシャン)」と呼ばれ、世界各地に大勢のファンがいらっしゃいます。 後進の育成にも熱意を持って取り組む方で、自宅の近所の大学のマジ…

ある種のドッペルゲンガーみたいな その1

これから昔むかしのお話をします。 まだブログツールなんてものを使っている人は見当たらなくて、テキストサイトが全盛だった時代の話。 あの時代の空気がまったくわからないひとには一部ぴんとこない箇所があるかもしれないですが、そのあたり基本的にNO説…

傷のない別れなんて、あるわけないし。

別れる時に言って欲しい言葉 こういう時に、何と言って別れたら一番彼にダメージが少ないでしょうか。 別れる時に言って欲しい言葉を教えていただけたらと思います。 マジレスします。 彼があなたと別れて、なおかつ不幸にならないための一番確実な方法は、 …

春の教訓大売出し市

以前、知人の不倫現場を目撃したことがあります。 あれは私が高校に進学したばかりの頃、祖父母にファミリー志向の回る寿司屋に連れて行ってもらったときのことでした。 四十代くらいの男女が、店に入ってきました。 私はその男性のほうに見覚えがありました…

父さんが残した 熱い想い 母さんがくれた あのまなざし

私は昔、男女比がちょう偏った職場(最も偏っていた時期の男女比は60:1、その後60:2、20:1となった)で働いていたことがありました。ああそう、ちなみにバレンタインは地獄でしたよ、本題とは関係ないけど。 そんでね。 そういう状況って、殿方の心は非常…