シロイ一族
昔、私の父シロイ・ネコヒコ(仮名)の職場にはドウドウさん(仮名)という二歳年上の先輩がいました。 二人はたいそう仲が良く、ドウドウさんの奥さんが出産なさったときは、独身だったネコヒコが名付け親になるよう頼まれたほどでした。 ネコヒコが母と出…
すげえ腹立つわ|愛情料理研究家 土岐山協子の 『料理はしないんだけど料理研究家のブログ』 この記事を読んで、思い出した話をします。 小学生の頃、母親がテニスサークルに通い始めて、時々家を空けるようになりました。 私は最初、とても驚いて戸惑いまし…
この間の週末、ネットをふらふらしてると夏休みの宿題についての記事が目に入って、もうそんな時期かあと思ったわけなんですけれども、そういえば私は親に宿題の手伝いを頼んだりはあまりしませんでした。 むしろ逆に、隙あらば娘の宿題を奪っていこうとする…
ツイッターでは前回、「今年最後の更新」などと言ってしまったのですが、ちょっとだけ付け足しをいたします。 私の父シロイ・ネコヒコ(仮名)は昨年、他界いたしました。 いずれ訪れる別れと知りつつも、しばらくは悲しくて悲しくて仕方なかったです。 父の…
はじめに 遠い昔、布団の中で絵本を読み聞かせてもらいながら寝かしつけられていた時代が、私にもありました。 そして、我が父シロイ・ネコヒコ(仮名)は時折、どんな絵本にも載っていない、オリジナルおとぎばなしを作って、妹と私に聞かせてくれました。 …
知人に、というか具体的に言うと妹に 「クロスバイクが欲しいんだけど、どれ選ぶのがええんじゃろー? いろんな自転車があって違いがわからん」 と質問されたので、返信メールを書いていたら我ながら気持ち悪いくらい長文化して、誰に何を語っているのかわか…
はじめに 一年以上前に書きかけで放置してしまったがゆえに 「もうこれの続き今更いいよね」 と思い始めていたのですが、やはりそうでもないようで 「ドッペルゲンガーの話の続きはどうなったのでしょうか」 というメールその他をいただきましたので、続きを…
これから昔むかしのお話をします。 まだブログツールなんてものを使っている人は見当たらなくて、テキストサイトが全盛だった時代の話。 あの時代の空気がまったくわからないひとには一部ぴんとこない箇所があるかもしれないですが、そのあたり基本的にNO説…
シロイの実家にはヒメというメス猫(3歳)がいるのですが、彼女がたいそう可愛くてたまりません。ちなみに私がプロフィールで使っている写真はヒメの幼少のみぎりの頃のものです。 ヒメははっきり言って非常に器量よしで、稀なる美猫というか、たおやかな美…
昼休み。 アンチョビMAX★ - 「ホッテントリに入れない」を楽しく読んでいて、 サブアカウントを使えば らくに 注目エントリ行くけど 何回書いても 何回書いても ホッテントリに入れないよ という部分にさしかかり、驚いてしまいました。 え……ちょっと待って…
先日の「嵐の解禁」話を書きながら、 「そういえば、こういうヤケにハイテンションでアッパー系な物言いをするひと、身近に一人いたよな。ものすごい身近なひとだったよな。誰だっけ?」 と二秒ほど考えて、すぐに思い出したのですが、父です。シロイ・ネコ…
昨年の今頃、私は祖父を亡くしました。あれからもう一年経つのですねえ…… 悲しいとか、生前の祖父のエピソードとか、いくらでも思い出せるわけですけど、そういう湿っぽい話はあまり書きたくないので、別の話をします。 ある夜のことでした。 祖父の葬儀や通…
私がまだ、小学生の頃のことでした。 父のもとに、知らない女のひとから、電話がかかってきました。 「私の主人は末期の癌で、もうすぐ死にます」 「主人は、子どもの頃、シロイさん*1に良くして頂いたことを、よく懐かしがっていて」 「死ぬ前に一度、シロ…
今日、両親と共に、高速道路を走っていたときの話です。 父「道を走っているときに、変わった建物を見かけるときがあるだろ?」 シロイ「あるねえ」 父「で、傍らの同乗者に、『あの建物なんだろね?』とか言うだろ?」 シロイ「言うねえ」 父「そうすると、…
私の母は、私が物心つく前から毎朝 「ゲットアップ、ソージョー」 と言いながら起こしに来てくれるひとでした。 子どもの頃は他に比較の対象というものを持ちませんから、私は 「どこの家の母親も『ゲットアップ、ソージョー』と言いながら子どもを起こすの…
家族と過ごす団欒の時間、みんなでテレビを見ていたら急にラブシーンが……! 突然空気が気まずくなり、その気まずさに耐えかねた人間が次々とテレビの前という戦場を離脱してしまい、やがて家族崩壊の危機が。 そんな経験はありませんか? そしてそんな経験を…
二月ほど前、家なし、金なし、職なしだったシロイ・ケイキが(現在は家だけあり)、断食道場に行く前、実家でイイカンジにパラサイトしていた頃のお話です。 「この間、テニスクラブの飲み会でね」 と母が切り出しました。 「○○ペンションのオーナーが、独身…
朝、身仕度を終えた私の様子をみた妹が安堵の表情を浮かべました。 「お姉ちゃん、昨日着ていた服だと胸が真っ平らに見えて心配したけど、今日の服だと膨らみあるね。安心した」 言われて私は自分のBカップの胸を見下ろし、妹のGカップの胸に目をやりました…
朝、身支度中の私がつぶやきました。 「このアパート、きれいなのに、洗面台のあたり、においがするね。下水のにおい?」 「あたしも気になってた。芳香剤置こうかな」 と妹が顔をしかめました。 「うーん、でもさあ、大家さんに連絡した方がいいかもよ。下…
しばらく前に布団に入ったのにさっぱり眠れずにごそごそと起き出してノートPCを立ち上げました。 あまりに眠れないので腹が立ってきたので、ぽちぽちとつまらない日記でも書いてみるか、そんなことをしているうちに眠気がさしてくるんじゃないのアタシ、とい…
ニャー、ナー、ウニャー、ギニャー、ニャー…… やけに猫が鳴いているなあ、鳴き喚いているなあ、と思った私が様子を見に行くと、そこには、 「誰にもやらないよう、大事にするよう、わしらのいとしいしと。いとしいしと、いとしいしと」 とロード・オブ・ザ・…
実家に帰省した私の眼前に、父が三冊の本を並べ、こう言いました。「我が妻が図書館に出向き、面白そうなものを選び出してきてくれたのが、これらの書物だ。おれは既に三冊とも読み終えており、どれも甲乙つけ難い面白さだった。君も一冊読んでみてはどうか…
前回までのあらすじ 家と金と職と彼氏を一度にうしなったシロイ・ケイキはしばらくネットをお休みしますと宣言した。 とか言っていたのに 現時点で私の状況は1ミリも変わっちゃいないのですが、日記を書きたくなったので、書いています。とりあえず実家に身…
実家より、母から電話。 「あんたの中学の同級生のEちゃんとGくん、結婚するんだってね」 「知ってる。招待状もらったし」 「あら。行くの? 結婚式」 「行く」 「えーっ、だってあんた、結婚式に着ていけるような服、持ってるの?」 あるよそのくらい、と私…