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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

妹邸にて

朝、身支度中の私がつぶやきました。
「このアパート、きれいなのに、洗面台のあたり、においがするね。下水のにおい?」
「あたしも気になってた。芳香剤置こうかな」
と妹が顔をしかめました。
「うーん、でもさあ、大家さんに連絡した方がいいかもよ。下水が詰まっているとか、そういう事情かもしれないし」
「やめてよ」
と妹がこちらを睨み付けました。
「うちのアパートの下水管に人間の死体がつまってるなんて、変な決めつけは」
「いや、それ言ってないし。人間の死体は下水には詰まらないよ!」
「でもドイツではあったじゃん、そういう事件。人間のはらわたがアパートの最上階のトイレに詰まっててさあ」
「ああ、ヨアヒム・クロルの事件ね
「そう……てかおねえちゃん、なんでわかんの? フツーこんなネタ、誰に振ってもわからないっつーの! はっきり言っておねえちゃんはそんなことだから、婚期がどっぷり遅れるんだよ。縁遠くなるの!!」
「なっ、なんてことを。つーかあんたこそ、そんな誰にもわかんないネタ、さりげなくふって、何のつもりだっ。あんただって、婚期は遅れます!」
「お姉ちゃんほどじゃないよ。年長だから既に一年のビハインドだ君は」
「うわーん、一歳若いからって調子にのるな馬鹿あ」


などという末期的な会話をしていた私たち姉妹にはきっと、「五十歩百歩」や「目くそ鼻くそを笑う」というコトワザが似合っているのでしょう。


しかも私、たぶん鼻くそ側だ。あるいは百歩側。ちくしょう。