しばらく前に布団に入ったのにさっぱり眠れずにごそごそと起き出してノートPCを立ち上げました。
あまりに眠れないので腹が立ってきたので、ぽちぽちとつまらない日記でも書いてみるか、そんなことをしているうちに眠気がさしてくるんじゃないのアタシ、という期待を込めたわけです。
その結果生産される文章は当然のことながらとてもつまらないものになるでしょうけれども、起承転結も序破急もあったものじゃない、だらだらだらだらと続くだけの戯言になるでしょうけれども、このようなネットの片隅のブログを覗きに来てくださるありがたい読者の皆様のお目汚しになってしまいまことに申し訳ないのですけれども、考えてみれば、このブログは誰のためでもなく、私のために存在しているものなのです。
ですから、別にいいのです、つまらない文章書いたって。私の、私による、私のための王国なのだものココはきっと。
などと自分に言い聞かせながらも私はここで気弱にはてな記法を駆使し、「続きを読む」を挿入することにするのでした。
お目汚し文章に興味のない方はこちらで引き返してください。
大体、このブログは普段だってお目汚し文章を書いているわけですよ。
そもそも、「ケイキのブログは、便座の話だけは面白かったわね。他のは正直思い出せないような話ばかりだけど」というコメントを、私は実の母からもらっております。
ええっ君は実の両親にブログのありかを教えているのかい? と思われた方。
そうなのです。
このブログはそもそも、
「ブログに自分の生活を書きつづることで、実家の両親に近況報告をできればいいなあ」
という目的で立ち上げられたブログなのです。
と言いますか、正直。
シロイ家は四人家族なのですが、そのうち母を覗く三人はブログ持ちなのです。
妹など、最盛期は七本のブログを持っていました。
シロイ家の人間は報告したい事柄があるとき、ブログに書き込んで、家族の閲覧を待つのであります。
特に父はそうです。
数年前、祖父が危篤状態になったことがありまして、そのとき妹と私は、父のブログで初めてそのことを知ったのです。
「ええっ、この日記にはおじいちゃんが危篤って書いてあるけど、電話とか来てないぞ……それほど危機的な状況というわけではないのだろうか?」
と思いつつ、おそるおそる電話を入れたら、
「医者に覚悟してくれといわれたから、仕事が休めるような準備をして、喪服を用意しといてくれない?」
みたいなショッキングな情報がさらりともたらされたのです。
というわけで、父のブログはどんな重大情報が書かれているのかわからないので、毎日チェックしなくてはなりません。ブログによってお互いの状況を把握し合う、次世代電脳一家、それがシロイ家なのでございます。と言えばなんだかかっこよくありませんか?
とはいえ、正直、お父様。
おじいちゃんの危篤くらい、ブログじゃなくて、電話で教えてくれてもよかったんじゃない? どうなのそのへん。
ああ、話が少しそれたような。
まあそれたっていいんですけど。眠れないからだらだら文章書いているだけで、眠くなったらこんな文、途中で適当に打ち切るだけなんですから。
眠くなるまで布団の中で独り言を呟いたっていいんですけど、さすがにそれは我ながら不気味ではないですか。それよりは黙って独り言をパソコンに打ち込んだ方がよさそうだと私は考えるのです。そのほうが婚期も遅れないだろうと。
わかっています。
日記なんて書くと、よけい眠れなくなるんです。パソコンを立ち上げたのがそもそも良くない。これは時として、アクマの箱となりうるのです。
だってネットサーフィンでエキサイティングな情報や面白い読み物を見つけてしまったら、もう睡魔がよりつかなくなってしまうではないですか。
インターネットリバーシで負けたりしたら、悔しくてもう一勝負挑んでしまうではないですか。勝ったら勝ったで、勝利の快感に酔いしれた人間の脳髄は恐ろしいほど誘惑に弱いものですから、私は次の瞬間には再び対戦相手を求め、電子の海にこの身を投じることになるでしょう。
ああそうだ、こういうものもあったわね?
私は思いついてMSNメッセンジャーを立ち上げました。
オンラインのメンバリストには、数人の名前が輝いております。
……話しかけたい。
けれど出来ない。だって、こんな時間に話しかけて、相手が寝る寸前だったりしたら、さみしいじゃないか。私は眠れないのにあなたは眠れるのね悔しいわ妬ましいわ羨ましいわとか思ってしまう。
向こうが話しかけてくれればよいのですが。そうすれば、あなたもわたしも不眠仲間ね、と思うことが出来るのですから。
うーん、だけど、誰も話しかけてくれないなあ。(じゃあ自分から話しかけろよ)
おおそうだ、メッセの別アカウントも立ち上げてみよう。
ああっ。
なんてこった、こっちのアカウントには誰もいない。
……みんな寝てしまったんだ。
そういえば、既に時刻は二時を過ぎています。
そりゃ寝るよ。美容のコツはたっぷりの睡眠、特に午後十時から午前二時までの睡眠が、健康で美しい肌を保つのだと、もっぱらの噂だし。
ああ、それでは、もう今日の私は肌を傷めていることになりますよね?
それってどうなの、婚期遅れるんじゃないの。
駄目じゃん!
…………
……
…。
ところで。
(話のつながりがトテモ不自然ではあるのだけれど、それでもいいや今日は)
このだらだら文章のタイトルの意味について、ここで、唐突に説明します。
まず、「自動書記」という単語を用いたのは、今の私が恐ろしく高速でだらだら文を書いていることに由来します。
普段の私は、一応起承転結とかオチとかわかりやすさとか考えちゃうので、こんな速度で文章書けないのです。
といっても、閲覧者の方々にはそれがどんな速度であるか、全くわからないわけですが、とにかく普段よりは速いの!(言い張る)
というわけで、「この早さはあたかも自動書記のごとくじゃない。頭で考えなくとも指が勝手に動くようだわ」というところが自動書記ぽいかなと。
でも本来の自動書記はもちろんこんなモノとは違いますし、私はそういう意味では自動書記という言葉の意味を汚しているかもしれません。どうしよう!
…………
……
…
まあいいか。
さて、ここで「リアルタイム日記2」とは何か、という話になりまして、これは絶対に私が説明しなければ誰にもわかっていただくことの出来ない単語でして、まあわかってもらう必要があるのかというと、全くそんなことはなく、おそらく世界で一番どうでもいいよそんなの、といった具合ではありますけれどね。
というわけで、この先はいっそうどうでもいいというか、今までもどうでもよかったけど、マジほんとにどうでもいいので、あなたの人生の時間を無駄遣いなさりたくないのなら、いい加減このへんで帰りましょう。
私は高一の夏休みから、高三の冬まで日記をつけていました。
そっけないそのへんで売っている大学ノートに、鉛筆でかりかりと、ね。
で、その頃の私は、深夜ラジオが大好きで、特にオールナイトニッポンのトリコでした。
オールナイトニッポンの第一部が放送されるのは、一時から三時です。(当時。現在は知らない)
ここで切り上げて眠りにつくのが、正しい夜の過ごし方でして、私は田舎住まいの悲しさ、毎朝六時に起きないと電車に間に合わない生活を送っていました。ですから、オールナイトニッポンがどれほど楽しいラジオ番組であっても、それを聞くのが許されるのは三時まで。その後の第二部を聞いてはならない。
なぜならオールナイトニッポン第二部は三時から五時という悪魔的にすさまじい時間に放送されていたからです。
そんなものを聞いていたら、私は五時にラジオを聞き終わってからベッドに入って六時に起きるって……アホかああああ。ということになるからです。翌日(といえるのかそれは)辛いのです。少なくとも、授業中にぐっすり眠り過ぎて椅子から落ちそうになっていたアホな生徒(つまり私)に、それでも勉学を教えなくてはならなかった諸先生方は辛かったはずです。
ですがまあ、親の心子知らずと申しますか、子どもというのは大人の苦労にしばしば無関心。教師の苦悩など、アホな生徒は気にしない。
というわけで私は、第二部も聞いていました。さすがに最後まで聞いていたことはあんまりなかったんですが、それでもけっこう聞いていました。
で、そんなある日、私は生まれて初めて、朝日が昇る様子を見たわけです。深夜ラジオリスニングの果てにね。
闇夜の澄み切った深い青に少しずつ白みがかったにごりが混じり初め、何かと思えばそれは朝日の気配、空はわずかずつ明るさを増していき、雲はその背後に圧倒的な光を隠しているのではないか、と私にそんな予感を抱かせます。やがてその予感を裏切らずに太陽は光の手を空に伸ばしておのれの所在を世界にしらしめ、あかるい顔を覗かせて微笑みながら「おはよう」と全ての生き物に語りかけます。その微笑みこそが鮮やかな朝焼けを作り出すわけなのです……
まあ何を言ってるのか自分でもさっぱりわかりませんけれども、生まれて初めて見た朝日というのはそれくらいありがたく見えたわけです。あれはほんと、年寄りも拝みますよそりゃあ。
そして私は朝日を目にした興奮のあまり日記を引っ張り出して、ページの一番上に「リアルタイム日記」と記して、朝日を目にした感動を書きつづったわけです。
何がリアルタイムなのかと申しますと、日記というのは普通、過去を記すツールであるわけです。その日にあったことを回想しながら書くものですから。
ですがその日、私は朝日の感動を見ながら、回想せずにそれをそのままノートに書き付けたと。
書くことと感じることの同時性。それを表現すべく、私は「リアルタイム日記」という言葉を編み出したのです。
……要するに、アホな子だったのです。じゃあお前はもうアホじゃないのか、と問われると、残念ながらそれもちょっとわからないわけですが。
で、今日私は感じることをそのままだらだらと同時に書く、という日記をまたしても書いていることに気付いて、「これはあの試みの再現」とか思って、「リアルタイム日記2」とか書いたわけです。感じるのに一時間かかったことを、一時間かけて書くわけです。あれ、そういえば読んだことないからよく知らないけど、フィネガンズ・ウェイクって、そんな小説じゃなかった?(今ネットで調べたけど、全然違ったよ、自分。というか、調べるまでもなく全然ちげーよバーカ)
今ちょっと時間を費やして、自分の書いた文章を読み返そうとしたら、なんかすごい分量があって、心底びびりました。
つれづれなるまま、指先のおもむくままに、私はこんなくだらない駄文を書いて、ほんと資源の無駄遣いです。エコじゃない。地球に優しくない。
だけど私はあなたに対しては優しくありたいのです。そのことを信じてください。
という言葉を書いておきますので、そのあなたがどのあなたなのかは、読んだひとがめいめい勝手に想定してください。というか、あなたですよあなた。
メリーさん人形が後ろに立っているあなたです。(深夜なので怪談演出を意識してみた)
さて、この文章はオチもクソもないまま、私が眠くなるまで書き続けられる、いわばセルフ子守歌みたいなもんなんですけど、もうひとつ私が自らに定めた枷がありまして、つまりノートPCのバッテリがね、切れたらね、書き止めようと思っていたのです。というか、もうそれ以上書けないんだからしょうがないじゃん。
いやもちろん、書こうと思えばACアダプタつなげられますけど、それをやったら歯止めを失ってしまう気がするのです。
そしてそろそろ、バッテリ限界、近くなってまいりました。まだ眠くないのに。それともちょっと眠いかな?
そういえば、メッセもう一度のぞいてみよう。誰かいるかな、いないかな。不眠仲間さーん?
あ、いる。たったひとりだけいらっしゃいます。
このようなときはそのたったおひとりの姿が、文字が、表示アイコンが、どれほど輝かしく、また尊く思えるモノか。
夜の孤独に私はたったひとりで押しつぶされそうになっていましたけれども(嘘。そんな上等なものではない)、その夜を遠い電子の海の向こうで、共に分かち合っていたひとがいたのです。
ひらたくいえば、あなたも私も眠れてない!ってことなんですけど。
よっしゃー、もう話しかけよう。そうしよう。
……あ、駄目だ。
このかたは、眠れていないわけではなかった。
単に生活が夜型なかたなのでした。夜起きて生活しているかた。
ということは、別に眠れないわけじゃないのです。起きている時間だから起きているだけなのです。
そのような方に話しかけるのはためらわれるじゃないですか。
というか、私はそもそも、メッセで他の人に話しかけるのが、時々妙に気後れしてしまうだけなのですけど。
というか、バッテリ切れそうなんだよ、そういえば。
もう寝る、つーか、寝ろアタシ!
眠れないから日記書いていましたとかいうと、ちょっとロマンチック乙女ちっくだけれども!
内容がこれじゃ無意味だろ!!
そうだ、区切りつけてやる!!
…………
……
…
…
というわけで気がついたらメッセで唯一オンラインの方に話しかけてしまい、なんかその上、今日(ていうかもう昨日ね)から導入したスカイプまで立ち上げてしまう始末。
そのままスカイプの新たな世界に身を任せてしまう始末。睡眠時間はがんがんと削れてしまう始末。
まあいいや。春だし。お外は雨降っているし。もうこの日記もいいや。
これ以上続けてもオチつかねえし。というか、つける気なかったけど。
ノートPCのバッテリが切れるんだよ、そもそも。
というわけで、本日はここでお開きにさせていただきます。
最後まで読んでくださったかた(いないと思うけど)、オチもなくってほんとすみません。ごめんなさい。そしてありがとうございました。
ラヴ&ピースをあなたのために願わせていただきます、望ませていただきます、祈らせていただきます。
あなたの人生に幸多かれ。私はあなたにとっては優しい人間でありたいのです。
それがどのあなたかってことは、この文章を読んだかたが一人一人決めればよいのではないでしょうか。とゆーか、あなたなんですけどね。
あなたですよ、あなた、後ろから後光が差しているあなたです!(夜明けが近いので、朝日っぽさを醸し出してみた)