この間友人の台詞に非常な感銘を受けましたので、ここに記します。
「『英語のテキストをよく聴いているのにどうして喋れるようにならないんだろう』ということを日本人はよく口にするけど、そんなの当たり前だ。ベートーベンの曲を何回聴いてもピアノを弾けないひとが弾けるようになったりはしない。下手でもいいからまずピアノに触れて、自分なりに弾き始めること。そうしなければピアノが弾けるようにはならない。英語だって同じだ。まず実践するんだよ」
「へー、いいこと言うなあHくん」
「正確にはこれはぼくの言葉じゃなくて、ぼくが通う英会話学校の先生が言っていたことなんですけどね」
「素晴らしいこと言うね、その先生は。これは名言だよ」
「ですよね。ぼくもそう思うんです。だから合コンは大事なんですよ」
「? どうゆうこと?」
「つまり! 世界のどこかでなにかを叫ぶ小説を読んだり映画を見たり、自分の理想の恋人を頭の中で作り上げたり、恋愛論を読んだり、恋愛論を語ったり、これは全部ベートーベンの曲をただ聴いているのと同じってことですよ!! 一生ピアノが弾けなくてもいいならそれでいいけど、ピアノを弾きたいひとは、まずピアノに触れなきゃ駄目なんです。それが合コンですよ、新しい出会いを求める行為ですよ!! 最初から上手に弾けないからってそこで尻込みするんじゃなくて! 合コンに行っても素敵な出会いなんてないかもしれないけど、だからって投げ出すんじゃなくて! とにかくピアノを自分なりに弾いてみないと、弾けるようにはならないんですよ!!!」
おお、なぜだかわからんが、すさまじい熱血指導。
というわけでHくんの熱い言葉に心打たれた私は思わず
「それではH先生、近いうちに合コンをセッティングしていただけますでしょうか」
などとお願いしてしまうのでした。いつの間にか言葉遣いも敬語調に変わってしまうのでした。
はやくピアノをひけるひとになりたいです。