実家が田舎である一つの証拠として、ジャンプが火曜日にならないと手に入らないことがあげられると思います。
大学に進学して独り暮らしを始めたとき、ジャンプが毎週月曜日に発売されることにむちゃむちゃ驚いたことを思い出したり。
月曜日になるとあちこちのジャンプ感想サイトが嬉しそうに更新されるわけですが、私は毎回自分が感想を書く前に他人の感想を見ないことに決めているので、布団を噛みしめながら必死に自分を戒め、他のサイトを覗かないように努めるのでした。
そもそもなぜ私がジャンプ感想を書き始めたかいうと、ネットに数多あるジャンプ感想サイトめぐりが楽しくて、それに影響されたからなのです。それなのに、その楽しみを自ら制限しなければならないようなことになるとは。
というわけで、火曜の夕方になんとか入手できたジャンプの感想です。これを書き終えればやっと他のサイトを見に行くことができます。
銀魂
「ぎんたま」といれても正しく変換できないごく普通のPCを使っている私は毎回「ぎん」と入力してから「たましい」と入れるという面倒な作業を繰り返しているわけですが、そろそろジャンプ辞書を入手すべきなんでしょうか。でもそれをしたらもう引き返せない気がするんですよ。ただでさえ遅れ気味な婚期がますます遅れそうな気がするんですよ。気のせい? ねえ、気のせいなの?
というわけで彼氏と別れたばかりのシロイにとっては、「結婚」という言葉がちらつくと最近ちょっぴりナーバスなので、ついつい銀魂を見る目も変わってしまうわけです。お見合いのシーンとか、普段なら絶対に近藤局長のほうに感情移入して読むはずなのに、気が付けばバブルス王女のほうに肩入れして読んでいる自分を発見。
「いーなあ、王女に生まれればゴリラでも近藤さんとつきあえるんだア」
九ちゃんにさらわれるお妙さんに対しても、
「いーなあ、幼なじみのうちに約束しとけば、こんなかっこいい九ちゃんと結婚できるんだア」
「つーか、こんなかっこいい九ちゃんと結婚できるお妙さんを邪魔する他の奴らはなんなの?」
みたいな筋違いの気持ちを抱いてしまう始末。これはまずい私、このままでは正しいジャンプ読みになれないなどと危機感を抱きながらも、正しいジャンプ読みになるとますます婚期が遅れるような気がするので、じゃあこれでいいの?
BLEACH
つーことは、仮面の軍勢メンバーって、全員、少年バトル漫画文化に脈々と息づく「おめえ強いなあ、おらワクワクするぞ」、「おれより強いヤツに会いに行く」的な暴力讃歌型の本能(しかし悪っぽい本能だなあ、ソレ。なんとなく「自分の活躍の場を作るために放火する消防士」を思わせるなあ)を持っているワケなんですね。そしてそーゆー本能がない人間は、おのれの内側の力を御することが出来ずに滅んでしまうわけなのかしら。
「スタンドとは本人の精神力、闘いの本能で行動させるもの・・・おっとりした平和的な性格のホリィさんにはスタンドを行動させることが出来ない・・・DIOからの呪縛に逆らえる力がないのだ!」
という理屈なのねそうなのね。一護たちはこれからエジプトに向かうのね?
アイシールド21
「神龍寺の連中には悟られねえで うちの連中には作戦変更を伝える方法 んなもんあるわきゃねえ どうする……!」
いつでも不敵なヒル魔先輩が必死な内面をむき出しにする瞬間というは、人間的な深みが感じられて、とてもいいですよねえ。ヒル魔のモノローグはキャラクタの性質上少な目にせざるを得ないわけで、そこにこういうぐっとくる心理描写が入るというのは本当に心憎くてたまらないなあ。その後みんなの信頼の絆の描写に移行する流れも素敵です。
NARUTO
サスケの顔が徹底的に見えないこの演出はきっと、サスケが三年間で驚くほど見た目が変わっちゃったからだと思うんですよね。だってこれだけ顔を隠し続けていざ明らかになったときにごく普通の成長ぶりだったら、がっかりなわけですから。
サスケくんの劇的ビフォーアフターな三年間に何が起こったか?
①激痩せした、②激太りした、③顔が崩れた、④性転換した、私が思いついたのはこのくらいの選択肢しかないわけですが、シルエットで見る限りは①や②ではなさそうです。そうすると残るのは③と④ですが、私はここで敢えて④を押します。だってサスケくんは大蛇丸の教えを受けているんだもの。大蛇丸さんは鬼気迫る戦いの最中にも女言葉を忘れないホンモノなんだもの。教えて貰う予定の術とやらもきっと化粧術とかその手の術に違いないもの。
リボーン
やっぱり雷はランボなのか……予想通りの展開といえばそうなのですが、胸に悲しみが溢れます。だってランボくんがしょっちゅう十年後バージョンになるんだろうな、ということは火を見るよりも明らかだから。ウザイ子どもランボの出番は減り、リボーンからはますますギャグの色が薄れていくんだろうなと思うと……バトルも面白くなくはないんだけど、寂しい。
ムヒョロジ
コレクターコレクター言ってるけど、トーマスさんは一体何のコレクターなの? と疑問に思っていたのですが、ついに解決。そうですか、この世の美しいモノ全てのコレクターですが……ってオイ! ちょっとそれ間口広過ぎねえか? 何をもって美しいとするのかも曖昧だしよう。
と思ったのですが妖精さんをクズ呼ばわりした瞬間にそのあたりのモヤモヤも解決。
可愛い妖精さん(♀)はクズで、性格の悪いゴリョウさん(♂)は集めたいコレクションということは、トーマスさんは要するにお稚児趣味なのね、だからゴリョウさんもあんな格好なのね!……と結論づけたところでジョン・ウェイン・ゲイシーを思い出して気分が悪くなってしまった私はたぶん自業自得なのでしょう。
DEATH NOTE
魅上さんも月くんもお顔がすんごい崩れ具合で、クールなイメージの美形からただのサイコさんになってしまいました。リュークが「デスノートを使った人間は不幸になる」とか言ってたけど、それってこういうことだったのね、と再確認。でもこの顔の崩れがミサミサの身に起こらなくてよかったよかった、そんなことになったら彼女お仕事減っちゃいますよ。と、思いながらもそうなったらそうなったで個性派女優、悪女の魅力などで売り出していけるかもしれないのでミサミサの崩れたお顔も見てみたいです。
それにしても月は「ぼくの勝ちだ」とか口走らなければまだ釈明の余地があったのになあ。
「ぼ、ぼくは実は現在失明していて、というかついさっき失明しちゃって、そのせいで最後のひとりの名前が書けなかったんです。へえ、残されたひとりは夜神月さんというんですか、なるほど」と魅上に言わせるとか。
「夜神日、矢神月、夜神目、夜上月」と咄嗟に四回書き間違えた分を魅上が付け加えて、「ぼくは昔から漢字に弱いんです」と言わせるとか。……ってまあどれもずいぶん無理がありますけど、それでも松田さんあたりは信じてくれるかもしれないじゃん。
ネウロ
サイがカボチャ頭で表現されているのを見ながら私は
「かぼちゃ……かぼちゃの馬車……かぼちゃの馬車を引くのは魔法でネズミを変化させた馬……つまりサイはネズミ……なわけないじゃん!」
などと考えていたわけですが、正解は犬ですか。
なんか「当たらずとも遠からず」という気がしなくもないですが、私は真剣にネズミ説を押していたわけではないので、やはり松井先生には完敗です。
それにしても一茂さん、画商という商売をする上では信頼性が大事なのですから、へんに若者ぶって上と下で髪を染め分けっぽく見せるよりは、最初から禿げっぷりをおおっぴらにアピールしたほうが絶対よかったと思うんですけどねえ。それともあれかしら、「おれの髪ってこんな風に濡らすと……じゃじゃーん、枝みたいになるんだ、すげえだろ」という宴会芸の持ちネタだったのでしょうかコレ。だから普段はその芸っぷりを隠していたの?
こち亀
私はミニチュアが大好きで、ドールハウスの写真集とか眺めていると幸せな気分になれる人間なので両さんの今回の商売は本当に感心したというかなんというか、具体的にはマイクロブックが欲しくてたまりません。どうして両さんは実在しないんでしょうか。したら真っ先に注文するのに。
太臓もて王サーガ
「校内では「スピン」じゃなく「まわる」だからな」
大丈夫ですよ悠くん、世の中にはスピンよりも断然すさまじい名前の実界人が存在しますから。
HANDS
面白かったです。私が今まで読んだジャンプの新人読み切り漫画の中ではベスト30には確実に入るんじゃないかと思います。
「ベスト30って多いじゃん」
というツッコミが確実に予想されますが、私は二十年以上延々とジャンプを読み続けてきたお馬鹿さんなので、二十年の歴史の中でベスト30っていうのはそれなりにすごいんだよ、たぶん。
「ミート・ザ・ペアレンツ」よりこの話の方が面白いんじゃないかしら。向こうは映画だけど。
ツギハギ漂流作家
隠岐は確かに凶悪な人物だとは思いますが、悪党レベルとしては、森の中で通りがかりの作家を殺しまくっていたじいさんとそれほど変わらないのでは、という素朴な疑問を抱いてしまうのですが…… 作者の中では違うんでしょうか。
ああでもよく見れば真備は隠岐に対して無関心ぽいですね。じゃあ別に矛盾はないのか?
うーん、それにしても読めば読むほどすっきりしない漫画だなあ。
みえるひと
うわーん、桶川雪之さんの秘密、今週も結局明かされなかったー。
タカヤ
はー……
どうすればいいのですかこの漫画は。なんかもう突っ込んだら負けじゃないですか、ここまでの域に達してしまうと。
というか、今気付いたんですけど、この漫画が小学四年生のノートに連載されているものなら、私もまったく動じないんです。平気です。
なのに載っているのは天下の少年ジャンプ。おかしい、どうすればいいのか判らない……
もしも私の前にアリスが現れて、「これは全部赤の王様の見ている夢なの。夢の中ならなんでも起きる」と言ってくれたら、私はむしろそのほうが納得できる気がします。
タカヤのこの展開、そんなタカヤがジャンプに載っていて、私たち読者が読んでいるという事実、それらすべてが誰かの夢で、覚めれば終わってしまうものであれば、そのほうがしっくりくるような。
とりあえず、「モルゲンゾンネって、タカヤくんいつからドイツ語できるようになったの?」とだけ言っておきますか。仕方ないから。