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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

こんなフォーリンラブは嫌だ

ゴキブリ揚がっちゃった事件について、意外にも反響が大きくてびっくりしました。
コメントもたくさんいただいたのですが、全てに返信している時間がありませんので、要点をしぼってちょっとばかり書かせて頂きますね。

すごい異臭がするって噂ですけど?

んーと、この点に関しては実はまったく覚えていません。異臭がした記憶はありませんが、しなかったという記憶もありません。
まず、厨房というのは普通の台所よりもずっと強烈にいろんな食べ物のにおいが長年にわたってしみついているので、ちょっと鼻がバカになりますし、業務用のでっかい換気扇が二カ所回っていますし、そのうち一カ所はフライヤーの上にありますので、実際に異臭がしたとしても、普通の台所で経験するソレより、ずっと気にならなかったのではないかと思っています。
あとは、本当に綺麗にからっと揚がってしまったので、においがしなかった可能性もありますね。台所で再びゴキブリを揚げてみれば異臭については検証できるでしょうが、さすがにそれは勘弁してください。

ゴキブリって滑空するだけで飛ばないでしょ?

いえ、ゴキブリは飛びます。これは経験したひとにはわかってもらえる恐怖体験です。ほんと怖くてびっくりしますよアレ……
ただ、私の書き方が悪かったため、垂直に飛んだような印象を与える文章になっていますが、実際には垂直ではなく、ちょっと離れたところから飛ばれました。まあだからといって恐怖が減じたりはしませんでしたけど。
しかしこの点に関しては気になったので調べてみましたところ、ゴキブリの飛行能力は湿度に左右されるもので、湿度が低いときは飛べないそうです。
よかった、やつらが常に飛行できる生物じゃなくって。

某フライドチキンチェーンと弁当屋じゃ環境が違うんだから、死ぬとは限らないでしょ?

揚げ物の温度は食材によって変わります。肉を揚げるときは野菜などを揚げるときより高めです。弁当屋で唐揚げを揚げるときの温度は170℃から180℃でした。
私は某フライドチキンチェーンが何度で揚げているかは知りませんでしたが、同じ鶏肉を揚げている以上、弁当屋で唐揚げを揚げているときとそれほどかけ離れた温度ということはないだろうし、更にフライドチキンのワンピースは弁当屋の唐揚げ一個よりも大きいので、その温度より低いことはないだろうと判断し、ならば唐揚げの温度で死ぬゴキブリはフライドチキンの揚げ油の中では死ぬだろうと考えました。
その後コメント欄で185℃であるという情報をいただきました。ならばやっぱりけっこう素早く死ぬんじゃないでしょうか。
また、揚げ物時ではないフライヤーの温度は115℃だそうですが、ゴキブリは熱湯で殺せる、とききます。現にコメント欄のkyrinaさんはシャワーの熱湯で始末なさっています。
つまりゴキブリは60℃〜100℃の液体をかけられて死ぬわけですから、115℃の油でも、やはり死ぬんじゃないでしょうか。
もう一つ、ゴキブリが多少温度が低めであっても100℃超の油なら死ぬのではないか、と考えた根拠というか実感があるのですが、それは次の段で。

そして赤裸々な実感

最後に、ゴキブリを実際に揚げたときの思い出したくない部分の詳細を書きます。
私はゴキブリ出現時とか、やつが飛んだときとかは、かなりびびったわけですが、何より驚いたのはゴキブリの火の通りの異常な速さでした。
揚げ物を何度もしていれば、このくらいのサイズの食材なら火の通りはこのくらい、という予想がつきますが、それをはるかに上回っていました。
すごい音がした、と書きましたが、実際はじけるような耳障りな音が響きました。普通に揚げ物をするときはジュワジュワパチパチという音がしますが、そういう音とは全く違っていました。
そして、ゴキブリはあまりにも素早く、変わり果てた姿になっていたのです。
きつね色というか茶色というか、生前とは違った色で、体が奇妙な具合に変質していました。妙にかさついたかんじの、もろそうなからだ。
私はゴキブリがフライヤーに飛び込んだ瞬間は、きっと油の中で暴れ回るやつをすくいださなければならないのだと思ってうんざりしたのですが、そんな暇はありませんでした。やつの昇天は本当に早かった。ゴキブリは何でか知らないが揚げ油に弱いのだ、と実感しました。
私は揚げ油に誤って手をつっこんでしまったことがありますが、すぐに手を引っ込めればたいしたやけどはせずに済みます。水分が油をはじくためです。
その後何度か、なぜあれほどゴキブリは揚げ油に弱かったのだろうと考え、もしかするとゴキブリの油っぽい体が、油をはじかないため、火の通りや熱のまわりが早いのかな、とも思いました。ただ、このことについては調べていませんし、よくわかりません。調べる気もあまりありません。だってその知識が今後の人生に役立つことがあるとは思えないし。
ただ、私はあのとき、ゴキブリは本当に揚げ油には弱いのだ、火の通りが異常に早い生き物なのだ、と恐怖に似た実感を持ちました。
さっきまで元気に生きていた生き物が瞬時に変わり果てた姿になって死ぬというのは、強烈な印象を与えます。交通事故の瞬間に立ち会ってしまったような感覚、というと大げさに響くでしょうが、とにかく私の脳裏にはあの経験が、深く刻み込まれているのです。
それゆえに、今回の某フライドチキンチェーン騒動の話をきいたとき、私は瞬間的に「嘘だ」と感じたのです。


実際には、件のお馬鹿なバイト学生が、本当にゴキブリ揚げを作っていなかったかどうかは、誰にも証明できません。悪魔の証明というやつですね。
ただ、私は自分の実感、記憶、体験から、彼の話は嘘だと感じているということです。


んでまあ。とりあえず今日とか、私はこの記事を書くために仕事中も四六時中ゴキブリの話を考え続けました。
これじゃまるで恋です。ゴキブリに恋する女。……うーむ。そんなのは嫌すぎる。
というわけで、今回のゴキブリ話はそろそろこのへんでお開きにさせていただきとうございます。