- 弁当を買いにビルの外に出た。
- よく使っている路上の弁当売りで買おうと思ったら、そのすぐ近くにも弁当売りがいた。
- あきらかにそちらの弁当売りは苦戦中。売れていない。みな馴染みのあるいつもの弁当売りの前に並んでいる。
- なんだか売れていない弁当売りが気の毒になる私。それに向こうなら並ばないですぐ弁当が買える。
- というわけで売れていない弁当売りの前に行く。並んでいる商品、うまくなさそう。なるほど、こりゃみんないつもの弁当売りの前に行くわ。
- 引き返したくなった瞬間、弁当売りのおばさんがすがるような目つきでこちらを見る。「いらっしゃいませ!」とかちょう熱意をこめた声で口にする。
- 気がつくとチキンカレー弁当を指差しながら「これください」と口走っていた。何言い出したんだお前。
- おばさん笑う。ちょうハートフルな素敵スマイル。すげえ嬉しそう。私はよいことをした、という確信が胸にあふれる。
- 「今日のお弁当はコーンスープ付ですよ」と微笑みながらおばさんが弁当とスープを袋に詰めてくれる。コーンスープ好きの私は、自分の決断は重ね重ね正しかった、と思う。
- オフィスに戻り、チキンカレー弁当を食べ始める。味は…………うん、まあ、こんなもんだよね、いつもの弁当売りのほうがおいしく感じられるのはきっと慣れているせいだよね? それにこっちのほうが安かったんだから、これでいいんだ。贅沢は敵だ。
- それより本日のメインはコーンスープであることを思い出す。わざとすぐに手をつけずにとっておいたのさ。
- わくわくしながらスープの蓋を開ける。
- ……? これ、コーンスープに見えないよ?
- 啜る。
- こ、これはコーンスープじゃないよ! もやしスープだよ!!
というわけで、食事を終えた私が何もかもが悲しくなり、もう笑顔なんかに騙されないと心中ひそかに誓い、どしゃぶりの雨の中で子猫をみかけても拾わない、そういう強くて非情な心が欲しくなったので、そのためには機械のカラダが必要な気がして、銀河鉄道999のテーマソングの歌詞を検索したりしているうちに、もう昼休みは終了です。今まさにチャイムが。
というか
更新作業中に午後の仕事に突入したけど知らないふりしてこっそりテキストブラウザから仕事している風に更新作業しました。
目指せ給料泥棒。