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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

「そういう趣味があると宴会のときいいよね」とか言われるけど実はそんなでもない


今日は職場の忘年会。
趣味がマジック、前職がプロマジシャンのアシスタント、と履歴書に書いた時点で、必ず忘年会で「マジックやってよ」のリクエストは来ちゃうはずなので、しばらく前からカードいじってます。


やはり、カードに触っていない期間が長くなると、手が動かなくなるし、ネタも忘れちゃうのですよ。
そういう状態でマジックを演じるというその事実自体がさらなるプレッシャーを生んで、演技をみすぼらしくしますしね。


今年、断食道場に入所するとき、うっかりカードを持っていくのを忘れて、2週間まったくカードをさわらないでいたら、ばっちり腕がさび付きました。
もともと私、たいしてうまくないんですけど、それにしたってこりゃひでえって、状態に。
継続は力なりってほんとです。
継続しても上手くならねえー、と嫌気がさすことはあるんですが、継続しないと、今まで獲得したものすら守れなくなるんですよ。
両手のひらでおわんを作って水を汲みつづけるようなものです。


手のひらに汲んだ水は、そのままじっとしていれば全部こぼれおちてしまいますから、また次の水を汲みにいかなくちゃいけないのですよ。
そのペースを早くすれば、たくさん水が汲めるのですが、私は努力家ではないので、今手元にあるコップいっぱい分の水をなくさないことを目標にほそぼそと続けています。


だからね。
忘年会で「マジックやって」というリクエストがあったとき、断ることはできるけど、断っちゃいけないんだと思います。断れば楽だけど。
断らないでマジックすれば、水をもう一杯汲めるんだと思ってがんばります。


ほんとは飲み会の席ほどマジック見せるのに向かない場所はないんですけどねー。
酔っ払いは集中力ないから、目の前で起きている不思議を理解するのに時間がかかるし、不注意になっているから、道具を貸したりすると変な扱いをするし、礼儀正しさが減じているから「とにかく種教えて」と連呼されることもあるしねえ。
でもそういう状況に対応する手段は一応ひととおりあるから、実はたいした問題じゃなくて、最大の問題は、アルコールが入るとどうしても手を精密に動かすのが難しくなるってことなんですけど。


だから
「趣味がマジック? えー、宴会のときとか便利そう!」
とおっしゃるかたがいますが別にそんなことはないっす。
マジックが趣味だけど、失敗がいやだから絶対に観客の前ではやらないし、ましてや宴会の席なんかでマジックなんてやるわけないだろうバカヤロウ!
という方はけっこういらっしゃいます。


一番楽な生き方は、自分がマジシャンであることを隠して、マジックしないで生きることなんですけど、私はマジシャンであることを選んじゃったし、マジシャンを名乗る以上は、リクエストに見事応えられなきゃ意味がなくて、それがきっと私にとってのショーという生き方なんだと思うので、とにかくこれからおれはやるぜ。



その前に午後の仕事もがんばるぜ。