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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

テレビのブラウン管が割れたら中で「ザザーッ」と割れたガラスの音がしました

なんか大橋巨泉さんが「金持ち、勝ち組、インテリはテレビなんて見なくなった」とおっしゃったらしいですね。ココとかココとかココとか、あちこちで話題になっています。


さて。
私はテレビをほとんど見ません。
大学に入学した年から、見なくなりました。


なぜなら。
大学に入学して記念すべき一人暮らしを開始した途端に、テレビのブラウン管を割ってしまったからです。
「見なくなった」というよりは、「見られなくなった」といった方が正しいです。


「ふんふん、一人暮らしでもしっかりお掃除〜。私は片付けられない女にはならなーい」
とか鼻唄うたいながら掃除機をかけていたら、誤ってテレビを床に叩き落としてしまったのですね。
誰が憎いって自分が憎い。


しかもそのブラウン管が割れたテレビは、ただのテレビではなく、テレビデオでした。
私は一気にテレビとビデオを失ってしまったのです。


学生ならば珍しいことではありませんが、私は貧乏でした。
「どどどど、どうしよう。新しいビデオとテレビを買う金なんてないぞ」


結局私は、翌年の春、卒業する先輩に2000円という格安値で古いテレビを譲ってもらうまで、テレビなし生活を一年ほど送りました。


テレビなし生活は私の心身に確実な影響を及ぼし、私は2000円のテレビを手に入れた後も、ほとんどテレビを見ない人間になってしまいました。
一度テレビを見ない生活に慣れてしまうと、逆にテレビを見るのが辛くなってしまうんですよ。

読書、音楽鑑賞、ゲーム、PC、こういったものがいずれも自分のペースで取り組めるものであるのに対し、テレビは一方的に流されるだけ、しかもCMが入るとそこで更にペースが崩れてしまいます。
これは本当に疲れます。


テレビを見ないと、他人と交わすどうでもいい雑談ネタのストックが減ります。
私だって好きでテレビ見ない人間になったわけではないのです。
だからがんばって見た方がいいかな、世間についていくのは大事なことだよね、雑談というコミュニケーションは馬鹿にできないもんだし、と思ったりもします。
ですが、皆の話題についていくために努力して義務的にテレビを見るのって、後ろ向き過ぎてダメなんですよ。続かない。

私はすっかりテレビ生活のできない人間に作り変えられてしまったのです。
ほんと憎い、貧乏が憎い、あと動作がでかくて乱暴な自分が憎い。


……と思っていたら。
「金持ち、勝ち組、インテリはテレビなんか見なくなった」
とかそんなことを巨泉さんがおっしゃったーっ!
ええーっ、そうなの、そういうもんなの?


私にとって自分がテレビ見ない人間であることは、ちょっとした恥部だったんでなるべく隠していたんですけど、もうそんなことしなくていいんだー!
「私はテレビとか見ないんです。だってインテリですから」
って言えばいいのね?
(さすがに自分が「金持ち」や「勝ち組」ではないという自覚はあります)


そういえば鏡に映る自分を見るたびに思っていた、
「この子は残念ながら美人と表現する事はできないけれど、なかなか知的ではあるんじゃない?」
って。
あれは思い違いじゃなかったんだ。
取柄のない自分の顔に無理やり知性という美点を見出したわけじゃなかったのね。
私の知性はホンモノだったのね!


などと簡単に他人の言葉で踊らされる人間が一番愚かなんですよね。
わかってます。
でもちょっとだけ浸らせてください。もうちょっとだけで、いいですから……