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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

メンデルに挑戦

以前、友人と二人で歩いているときにナンパされ、若手サラリーマン二人組にお酒とごはんをご馳走になったときのこと。


こういうときの会話って、三秒後には忘れ去っても構わないような、どうでもいい雑談にするのが吉だよねと、私は思ったんですよ。
相対性理論についてとか、死刑制度の是非とか、世界平和のために私たちが今できることとはなんだろうとか、そういう話は当然しないほうがよかろうと。
かといって、マイフェイバリットな話題であるジョジョ話とか、連続殺人鬼話とかをするのもよろしくないでしょう。


というわけで、0.00001ミリグラムだって信じていない血液型別性格診断の話が始まったとき、私はにこにこしながらそれに乗ったんですよ。
占いとかの話って中身が薄っぺらでいいから、こんなとき重宝するよなーとか思いながら。
ただ、どんな占いでもいいってわけじゃなく、カバラ数秘術とか太古(ふとまに)とか奇門遁甲とかの話題で盛り上がれって言われても、それはちょっと無理があるんですよね。
そうなるとやっぱポピュラーなところで星占いか血液型がオススメよねってことになるのですが、12種類の星座の特徴を覚えなきゃいけないのはたいへん過ぎるし、大体蛇つかい座もいれて13星座占いになったとかいう話もあるし、一つ間違うと聖闘士聖矢話が始まりそうで危ないし、星占いって実はけっこう使い辛い。
その点、血液型別性格診断の話は、本当に便利です。たった四種類の血液型別の性格を覚えるだけでいいのですから。
……というのが、その日まで私が考えていたことでした。


「おれさー、A型なんだ」
「ああっ、そういうかんじ! 真面目そうだもんねえ」
などと心にもない台詞が飛び交う中、私はうっかり、こう言ってしまったのです。
「あたしはO型。てゆーか、うちは両親ともにO型だから、あたしがOじゃないとまずいんだよね」
あははははー、ベタなネタでしょ。というかんじで。
するとサラリーマンの一人が、さらっとこう言いました。
「あれっ。おれんち両親O型だけど、おれはAだよ」


……………………………………えっ?
「あ、それはもしかして養子とか?」
「ううん、違う」
「ああ、それはなんというか……珍しいこともあるものですね?」(語尾が弱い)


雑談の話題選びって、難しいですね。
私はもう二度と、ああいう場面で信じてもいない血液型別性格診断の話はしません。
皆さんも気をつけましょう。
星占いのいいところは、こういうとき家庭の秘密を暴くおそれが少ないところなのかもしれないなあ。