wHite_caKe

だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

男と女の間には−その2

ブクマコメント

# 2007年08月13日 shirokuma_x shirokuma_x (0゚・∀・) 逆に言えば。中学生男児が常にエロいことを考えているとか、毎日かなりの頻度で○ナニーしてるとか、皮がむけるとは具体的にどういうことなのかとか、そういうことを案外知らずに成人してましたよワタシは。

# 2007年08月13日 yuuboku yuuboku ジェンダー, 医療 逆に、女性がなかなか知らない男性の諸側面って何があるかなー。

というものをいただきまして、それは私も生理話を書きながら考えていたことでありましたので、ちょっとその話をします。


これ、私の勝手な思い込みなんで、訂正上等なんですけど。
男性はよく知っているけれど女性はあまり詳しくないひとが多くてなおかつそのことを男性に詳しく尋ねるのもはばかられる話、男性にとっての生理みたいなものってのは、『包茎』話なんじゃないかと、私は考えているのです。


ある日。
私は友人のハマコさん(仮名)に真剣な様子で話しかけられました。
「お願いがあるのシロイ。相談にのって」
「私でお役に立てるなら、どうぞ」
「……シロイでっていうか、シロイにしか私、こんなこと聞けない」
「え。なにそれ、一体どんな話? ぜんぜん予想がつかない」
「つまり、あの、あっちの暗い隅で小声で話したいんだけど…………」
とハマコさんは私の袖をひっぱって隅に連れ込むと、大きく息を吸い込み、言いました。
包茎について……教えて欲しいんだけど」
「はいぃぃぃぃぃ?」


ハマコさんはその頃、彼氏ができたばかりで、なおかつ生まれて初めてセックスをしたばかりでした。
んで、初めていよいよそういうことになるぞ、というときに彼氏が
「おれ、実は包茎なんだ。先に言っておくよ、ごめんね」
と言ってきたと。


「……とりあえず私は『ぜんぜん平気。気にしないで』と言ったんだけど、自分が何を言われているか、なんで謝られているのか、さっぱりわからなかったの。今もわからないまま。そして、そのことが気になってしょうがないの。それで、シロイに聞こうと思って」
当時、私は処女でした。
「ハマコさん……えーと、なんて言ったらいいのかな、あなたは人選を間違えているよ。他のひとに聞いて。彼氏本人とかさ」
「そんなの彼氏には聞けないよ! だって、わざわざあんなことを言ってきたってことは、彼氏はきっと『包茎』を気にしているんでしょ? そんなこと聞けるわけない。他の男のひとにだって、もちろん聞けないよ」
「……んじゃ、モテモテで男性経験多いひとに聞いてくれ」
「嫌。なんか恥ずかしい。なんでかわかんないけど、シロイになら聞ける。でも他のひとには聞きたくない、聞けない」
「しかし私はその質問に適切に答えることができそうにありません」
「そんなことないよ! だってシロイはあのネタがわかったひとだったんだから」


ハマコさんが言っているのは、しばらく前に一人の男性がタートルネックのセーターの襟をひっぱりあげて顔を半分くらい隠し、
「こんな青春は嫌だぁ」
と叫び、何人かが笑ったということがあったのですが、そのときの話だったのですね。
私はその後、ハマコさんに、
「私あのネタの意味がわからなかったんだけど、シロイはわかった?」
と尋ねられたのです。
私は小学校一年生のときから少年ジャンプを読んでいる関係で、男性向けの広告(ブルワーカーとか)のネタにもある程度馴染みがあります。ですから、そのネタも理解できておりました。
「えーと……あれはね、あの、ほら、つまり包茎ネタなんだよ……男性向けの雑誌には形成外科だの泌尿器科だのがああいう広告を載せてるんだ」
私の答えを聞いたハマコさんはビミョウな表情で「ふうん」と呟き、それきりだったのですが。


「私はあのネタがわからなかったのに、シロイはわかった。つまりシロイは私よりも包茎について詳しいってことじゃない? だから、教えて。お願い。他の誰にも聞けないの」
「あー、なんか今、軽い自己嫌悪みたいなものに襲われたな私……処女なのに包茎に詳しいと他人様に思われているなんて、こりゃあすごい経験だ」
というわけで私はその後、理論的には理解しているものの、実践的には何一つ理解していないことを許して欲しい、とハマコさんに断った上で、仮性だの真性だのカントンだのの話をしながら、軽く死にたくなったのでした。
「……ですので、真性やカントンのひとは、性交自体を行うことが非常に難しいので手術が必要でありますが、ハマコさんの彼氏はそうではないので、きっと仮性なのではないでしょうか。日本人男性の6割が包茎だそうですので、きわめて正常なことであり、何の問題もありません」
ああ……お母さん、私なんだかもう、お嫁に行けない気がするよ……
「なら、なんで彼氏は謝ったの? 正常なことなら、謝る必要ないよね?」
「なんでだろうね……いやもう皆目見当がつきません。とりあえず自分の男性器に問題を感じる男性は、欧米ではほとんどの場合精神科に行き、日本ではまず泌尿器科の門を叩くそうでございますので……」
「仮性包茎は問題じゃないんでしょ? ならどうして?」
「ハマコさん、あんた食い下がるなほんと!」


てな具合に、脂汗だらだらの午後は過ぎていき、しまいにはハマコさんは
「もしかして彼氏は真性とかカントンなのかも。だから謝ったんじゃない? だとしたら、彼は毎回セックスのたびに無理して辛い思いをしているのかも。どうしよう!」
とか言い出す始末。さらにさらに
「そんなことないと思うけどな。ねえ、もうそろそろお開きにしようよ」
「うーん、どうすれば彼が真性とかカントンじゃないってわかるんだろう……そうだ、シロイ、ちょっと今スケッチするから、それを見て判断してよ」
とか言いながら、ノートを開き、妙にリアルなスケッチを始める始末。
ついに私はそこで力尽き、
「そんなの見てもわからないし、すごく見たくないのでもう許してくれ」
と泣きを入れたのでした。


んで。
私は他にも別の女性にまったく同じ質問をされたことがあるんでした。皆、意外と同じコトで悩んだり疑問に思ったりしているのですよ。
まあ、個人的にはなんでみんな、私になら聞けると思うのか、すごくすごく疑問なわけですが、そこはおいといて。
あのあたりのことを思い返すに、女性にとって『包茎』というのは、男性にとっての『月経』と同じくらい、分厚い秘密のヴェールに覆われているんじゃないかな、と思うんでした。
どちらもその気になれば医学書性教育用の書物で簡単に知識を得られる点も似ているんじゃないかと。


とりあえず、世の中にインターネットが普及してよかったですよね。
今なら私は同じ質問をされたとき、
「えーっとね。ぐぐれ」
とだけ返せばいいのですから。技術の進歩は偉大です。