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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

ときめき蒸発

私がお気に入りでいつも指名する美容師さんは女性の方なんですが、その方とは別にこの間、私のシャンプーを受け持ってくれた方は男性で、かなりハンサムでかんじのよいひとだったんでした。
「すすす、すごくかっこいー。シャンプーしてくれるひとは選べないから、このひとにあたってラッキーかも」
などと考えながら、シャンプー台に移動したときのこと。
「あっ、お客さま、こちらのえーと……漫画本? 雑誌? とにかくこれ、こちらに置いておきますね」
と言って彼が示したのは、私の文庫本でした。ちなみにハヤカワミステリ文庫。*1


別にいいけど、そうか、おにいさん、あなたは「文庫本」てものを知らないのか……本読まないのね……
と思った瞬間に、何もかもが色褪せて見えたんでした。不思議ね。
もうビタイチときめかなくなりやがんの。


そーいえば、私の従姉がケーキ屋で働いているんですが、ハンサムな若者が数人やってきて、
「バイト仲間の女性の先輩のためのバースデーケーキを買うんです」
と言ったことがあったそうです。
「まあ、感心な若者たち」
と思った従姉が、
「メッセージはなんとお書きしますか?」
と尋ねると、
「WE ARE YORIKOさん LOVE! と書いてください」
と堂々と答えられて、切なくなったと言ってました。


それを言うならWE LOVE YORIKO.だろ君たち。それじゃ君ら全員がヨリコさんてことになるぞ!
せっかくハンサムなのに……性格だってたぶんバースデーケーキ買うくらいだからきっとやさしいのに……惜しむらくは賢くはないらしい……


「そう思ったら、彼らがハンサムな分、よけいに悲しくなったのよ。不思議ね」
と従姉はさみしげにつぶやいたのでした。


まったくもって秋はセンチメンタルな季節です。

*1:リンダ・フェアスタインの『殺意』です。面白いよリンダ・フェアスタイン。