荷造りの要領を知らない愚かな私は、くそ重いスーツケースで旅立つことになりました。そもそも着替えが多すぎるのです。11日間どころか、一夏暮らせそうな勢いの、山のような衣類。
だって。
「北欧は夏といえど夜は冷え込むから、セーターやカーディガンは用意すべき」
とゆー情報と、
「現在ヨーロッパは熱波に見舞われている」
とゆー情報、その双方を手に入れてしまったんですもの。
その結果、私のプアな頭は大混乱。どんな服が必要なのかよくわからなくなってしまい、結果としてたいへんなことに。
おまけにツアーガイドをちゃんと読んだら(今まで気が重いから目を通すのを先延ばしにしていた)、
「バンケットにはできればドレスアップしてお越しください」
との文字か。
ぎゃー。何着ればいいの。フォーマルドレスの類は、一時的に実家に預けてあるのよ今。
…仕方ない、昔ステージ衣裳として愛用していたチャイナドレスでごまかそう。
うーん、だとすると、服に合わせた靴とアクセサリーが要るじゃないか…ああ、また荷物が増える…
みたいな事情で、ほんとまじスーツケース重すぎです。おかげで気の重さはまぎれたような? 物理的、身体的な今そこにある重量に比べれば、心理的、精神的な重さなど、どうってないことのような気がしてくるくらい、私のスーツケースは重いのです。