この間、すごく気になる文章を見つけました。オーストリアのリンチ殺人に関する文章です。あ、不用意にリンク先読まないで下さいね。凄惨な事件がたくさんなので、気分が悪くなりますから。
で、リンク先読まない方のために、一応要約。
1974年、オーストリアで無軌道なティーンエイジャー三人組が殺人2件、婦女暴行2件、強盗22件といった具合に犯行を重ね、お年寄りを襲ってはぐちゃぐちゃにリンチして金を奪い、若い女性を襲っては殴る蹴るしては輪姦し、と悪逆の限りを尽くしたことがありました。
ところが彼らの前にある日突然偉大な存在が立ちふさがり、その犯行に終止符を打ったのです。
その部分を丸ごと引用します。
8月30日、68歳の女性が裏通りを歩いていると、向こうからやってきた三人の少年のひとりが、ものも言わず彼女の頭を殴った。
怒った彼女はハンドバッグを少年の顔に叩きつけ、殴り倒すと、喉笛を蹴りあげた。あとのふたりが殴りかかってくると、彼女はひとりの股間を膝で蹴りつけ、もうひとりの顔を爪でかきむしった。反撃を予想していなかった少年たちは意外にもろく、喉を蹴られて動けない少年を残してふたりは逃げ去った。
倒れている少年も起きあがりそうだったので、老婦人は少年の顔面をもう一度蹴っておとなしくさせた。
駆けつけた警官が「例の3人組」の首謀者を捕らえたことに気づき、無線で応援を呼んだため、逃げたふたりもあっけなく捕まった。
誰ですかこの老婦人というのは? 場所がオーストリアってことは、GEK COBRA(憲兵機動特殊部隊)出身だったりするのですか?
私は元々、老舗のジャンプ読者ですし、アクション映画わりと好きですし、『大山空手 もし戦わば』とか愛読しちゃってますし、富士鷹ジュビロのごとく「普通の人間の肉体にはこのくらいのことしかできない」という基準を一、二段階間違って認識しているときがある、頭の悪い人間なんですけれどもー。
その悪い頭でつらつら考えるに、リンチ殺人犯三人組を返り討ちにしたこの68歳の老婦人は本当に偉い。偉すぎます。
バッグで殴り倒した少年の喉笛を蹴り上げたというのがまず偉い。なんだその容赦のなさ。
「こいつ死んでもいい。つーか死ね」
とまで思ってなければそんなことはできないでしょう。だって喉笛だぜ? 急所だぜ? ほんとに死んでもおかしくないぜ?
倒れている少年も起きあがりそうだったので、老婦人は少年の顔面をもう一度蹴っておとなしくさせた。
というこの一文もたまりません。倒れている人間の顔面を大人しくさせるために蹴る! なんでしょうこの迷いの無さ。命を賭けた戦いを無数に潜り抜けてきた猛者としか思えません。
戦いの見本となるような戦いを披露できる68歳の老婦人なんて、フィクションの中にしか存在しないと思っていました。
私もそんなおばあちゃんになりたい。(いやその願望はどうだろう)
というわけで私は本当にその68歳の老婦人に圧倒されてしまい、尊敬し、このリスペクトする心を全世界に発信していきたいくらいの勢いなんですけれども、いかんせん、私は彼女の名前を知らないのです。どうしよう。
彼女のことをいちいち「当時68歳の老婦人」と呼び続けるのも面倒だし。
なので、私はとりあえず彼女に仮の名前をつけ、その名を尊敬をこめて口にすることにしました。もちろん誰か博識な人が彼女の本名を教えてくれたら、そっちの名前を口にしますが。
私がつけた仮の名前。それは
「エリザベート・シュトロハイム」
です。
エリザベートのほうはかの有名なオーストリア皇后からとっています。
シュトロハイムのほうは……もちろん由来はあるけど、判らないひとには説明しても判ってもらえないだろうし、判るひとにはNO説明で判りすぎるほど判ってもらえるはずなので、あえて説明しないことに。ドイツ系の名前とだけ、言っておきます。
これで自己紹介の「尊敬する人」の欄に
「エリザベート・シュトロハイム(仮名)」
って書けるぞ♪
というか、みなさんも書きませんか? そして世界中にエリザベート・シュトロハイム(仮名)さんの偉大さを、広く知らしめていきませんか?
強いといえばエリザベート・シュトロハイムみたいな概念を、ぜひこの世界に定着させましょうよ。草の根の運動で、世界を変えるのです。(なんのために)