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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

実践的護身研究その1〜襲われないための生活編〜

こんな記事を書いたらそれがきっかけになって、いろいろ考えることがありました。
つーかすんげー昔の一時期、私の中で「護身」がテーマだった数ヶ月があったので、それを思い出したんですよねえ。
なんかその頃、一件一件はたいしたことないけど、ちょっと嫌なカンジ……という出来事が、ばたばたっと続いたんですよ。夜道でひとに後をつけられるとか、イタズラ電話が増えるとか、他にもまあ、いろいろ。
頭の中でピンクレディ(古すぎ)が「男はオオカミなのよ、きをつけなさーい」とか歌い出したりして、歌えるくらいだからそれほど深刻な事態でもないわけですけど、不快な日々。 
自意識過剰だなあ私、別に気にすることなんてないって、今までそれほど怖いことは起きてないじゃん、とか思いつつも、
「それは今まで死んだことないからこれからも死なないというのと同じ理屈だね」
と友人に指摘されたりして、しょうがねえ、いっちょ護身について考えるか、などと思った次第。
自意識過剰でもなんでもいいよ、何も起きなきゃソレが一番、でも起きたときに慌てるのは嫌だろ、って話です。
といっても、それほどたいしたことはしなかったんですけれどもー。本を数冊読んだくらいで。
でもまあ、世の中にはそれすらしてないひとが多いはずですんで、そんとき仕入れた知識をここに載せておくと、誰かの役に立つかもーってことで、私の護身ポリシーについて書きます。


まず、一番大切なのは、誰かに襲われない、狙われない生活を送ることです。
とりあえず、危ない場所で一人歩きしない。これが基本中の基本です。
暗い小道や細い路地に入るのはよしましょう。夜の一人歩きはやめましょう。藪や角など、誰かが隠れている可能性がある場所に、迂闊に近寄ったりしないこと。
ちょっとでも嫌なかんじ、危ない気配を感じたら、その場をすぐに立ち去ることも重要。
襲われたらどうするを考えるよりも、襲われない状態を整備することがもっとも重要なのです。
あなたの姿を見た瞬間に、歩く方向を変えた人はいませんか? そういった周りの気配に気を配って、異質なものを感じたら、遠ざかりましょう。


二番目に重要なのは、危ないと思ったら、すぐに逃げることです。そして、逃げやすい状況を自分で整えることです。
靴ひものついている靴をはいているときは、必ず出掛ける前にそれがほどけていないか確認しましょう。自分の靴ひもがほつれていてそれで転んで逃げ切れないなんて、悲惨な状況です。靴ひもは折に触れて確認するべきシロモノです。
逃げた方がいいかなと少しでも感じたときは、かばんを持ち直し、靴や衣類の状況を確認して、どう逃げるかを考えた方がいいかと思います。荷物が多いときは、いざというときは、どの荷物を捨てて逃げるべきか、なるべく残したい物はどれか、考えておくのが良いと思います。そうすれば、咄嗟の状況でも、身体が正しく動きます。
基本的には、荷物で両手がふさがっている状況というのは、危険です。それでも手がふさがってしまう事態があるのが現実の生活ですから、片手の荷物はすぐに放り出す覚悟を決めておきましょう。
ヒールの高い歩きにくい靴はさけたほうが安全ですが、そんなこと言っていると女子力は順調にさがりますので、そういう格好の時はなおさら、身の回りの危険に気を配ること。そして、どんなにお気に入りの靴であっても、必要ならばそれを脱ぎ捨てて走ること。靴より命や安全の方がはるかに高価です。


通勤、通学のルートは何種類か用意し、毎日同じ道を通るのは、避けたほうが安全です。
もちろん、明るい道、人通りの多い道を通るルートのほうが良いですね。
決まり切った日常というのは、加害者の最大の味方になるときがあります。


そして、これはとても重要なことですが、家に入る前に、必ずドアチャイムを鳴らすこと。
これは、『御直披』という本で得た知識です。*1


レイプ犯罪は、一人暮らしの女性の玄関先で起こることが多いんだそうです。知ってました?
加害者にしてみれば、レイプをするために必要なものが二つあるわけです。
ターゲットとなる女性と、レイプを実行するための場所です。


駅前など、ひとが大勢いる場所で、一人暮らしと思われる女性を捜し、彼女のあとをつけ、鍵を開けて部屋に入ろうとした瞬間に後ろから襲いかかる……というのはとてもポピュラーな手口なのだそうです。そのまま女性の部屋の中に入り込んで、内側から鍵をかけてしまえば、場所と女性、双方の確保ができるわけです。書いてて胸くそが悪くなってきましたが、そういうことです。
鍵を開ける瞬間の女性は、大抵の場合、片手に荷物、もう片方の手に鍵を握っていますから、両手がふさがっていますし、家に帰り着いた安心感で、たいへん無防備な状態になっています。そこを狙うわけです。
被害に遭った女性の多くは、安心できる聖域のはずの我が家が犯罪現場にされてしまって、さらなるショックを受けることになります。


そして、そのような自宅の玄関先でのレイプを防ぐための、簡単で効果的な手段が、ドアチャイムを鳴らすことなのです。
ドアチャイムを鳴らしたということは、この部屋の中には誰かがいるのかもしれない。
もし今いないとしても、もうしばらくしたら帰ってくるのかもしれない。
だとするとまずいな、この女はやめておこう……
そう犯人に思いこませるのが狙いです。


同様の効果を得られる方法としては、帰り道では携帯を取り出して電話をしているフリをするというのもありますね。
「もしもしあたし、今から帰るから」
などという一言が、あなたを救うかもしれません。といっても、相手のいないのに電話のふりって恥ずかしいよ、という気持ちはよくわかりますんで、とりあえずドアチャイムは鳴らそうね。


世の中には、たまに同じ一つのアパートの中に、単身者用のワンルームと世帯用の2LDKの両方のタイプの部屋が入っているということがありますが、ああいうアパートに住むのも、あなたの安全度を少し上げるかもしれません。
世帯用のアパートというのは、若い両親と幼い子どもが一緒に住んでいることが多いので、アパートの周りにも、三輪車やちょっとしたおもちゃが置いてあることがよくあります。
そういうアパートで暮らしている、つまりこの女は一人暮らしじゃないのかもしれない、家族がいるのかもしれない、と思われれば、あなたは狙われずに済むかもしれません。
ただしもちろん、既婚者の女性がレイプ犯罪の被害に遭うことはありますから、これはほんの気休め程度の話かもしれませんが。


ゴミ捨てに行くときや、近所のコンビニに行くためなど、ちょっとした用事で部屋をあけるときも、必ず部屋の鍵はしめること。
友人を駐車場まで見送りにいったら、その数分間の間に、部屋に変質者が入り込み、命を落とすことになってしまった女性もいます。


とはいえ、こんなことはすべて確率論でしかないわけで、これらすべてを実行しても、襲われるときには襲われるわけですから、そのときどうすべきかを普段から考えておくと役立つんじゃないかと思ったところで、その2に続きます

*1:『御直披』というのは、神奈川県警性犯罪捜査係長である著者の板谷利加子さんとレイプ被害者の方の往復書簡で綴られた本で、たいへん読み応えがあります。