15時半頃入所して、その後16時20分頃には夕食が出ました。
茶碗いっぱいのお粥。ジャガイモの煮たのが二きれ。薄く切った筍と鰹節の煮たものが少し。煮豆が小皿に一皿。
これが夕食です。
ジャガイモは一切れがかなり大きく、意外とボリュームがありました。
きちんとした日本の家庭料理の味。おいしいです。
全体の量はそれほど多くありませんが、煮豆を一粒ずつ箸でつまんで食べたので、意外と時間がかかりました。おかげで満足感もそれなりに得ることができました。
けれど。
この量が徐々に減らされ、翌々日には本断食に突入することになるのです。
私は本断食は滞在期間の真ん中あたりに行われるものだと勝手に思いこんでいたので、早くも三日目に断食が始まると知って、無駄に動揺してしまい
「ええっ、急過ぎます。緊張するんですけど」
などと口走って、「緊張せんでええのに」と院長に笑われました。
18時。娯楽室で静座が行われます。
院長の指示で般若心経を唱和し、その後「静座の辞」というのを皆で読み上げるのです。
「これは参加は強制じゃないけどね、生活にリズムが生まれるから、参加をおすすめしてます」
とにこやかに説明する院長。
「まっ、おれは宗教心は全くないけどね」
「全くないんですか?」
「そう。全くない。まあでも参加はしたほうがええよ」
私は、自分の心が俗世の垢にまみれきっていることにかけてはかなりの自信がありますから、断食修行によってもうちょい清らかな人間になりたい、という願いも抱いています。なるべく参加することにしました。
それに、こういうのに参加すると般若心経が覚えられるかもしれないしね! いざというとき般若心経が唱えられると、便利な気がするしね!!
静座のあとは、自由時間です。
入浴は順番に一人ずつ呼ばれて行うことになっているので、呼ばれるのを部屋で待ちます。
……なかなか呼ばれないなあ。
…………21時には消灯なのになあ。
………………もうちょっと待ってみよう。
あっ、21時過ぎた。
嘘。もしかして忘れられた?
もしかしなくても忘れられたっぽいのですが、なんだかそれを言いに行くのも気が引け、気分は悪いけど、今日は入浴を我慢することにしました。
それになにより、とても眠い。
最近寝不足気味だったせいか、入所してからやけに眠いのです。
もう駄目、寝る。おやすみなさい。