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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

私が男性だった頃〜番外編〜

本編はこちら。その1 その2 その3 その4 完結編


ところで私がはじめてのオフ会に挑む直前、事の次第を聞いた人々が、我こそは諸葛孔明の如き軍師とならんとして、様々な策を練ってくださいました。
結局どの策も実際に用いられることはなかったわけですが、彼らが出し合ってくれた叡智の軌跡をここに記しておきます。
今後私と同じようなケースを経験なさる方が現れた場合(たぶんないけど)の参考となることを願います。

結局JAROを呼ばれるよ

友人A「それはやっぱりシロイが男装すれば何の問題もないんじゃないの。まずその長い髪をばっさり切れば」
シロイ「髪は確かにそろそろ切りたいとは思っていたけれども、男装は無理じゃないか? 体つきや顔かたちの問題があるだろう。男装の麗人や女装の美少年は、所詮虚構世界の生き物だと思う」
友人A「体つきは……そうだな、全身に詰め物を施して、全体的に太くなればいいんじゃないだろうか。顔は思い切り汚して、むさくるしく。性別不祥なかんじに仕上げるんだ」
シロイ「あのさ」
友人A「うん?」
シロイ「それさ、太った不潔な男には見えるかもしれないけど、好青年とかいい男には見えないじゃん」
友人A「そうだね」
シロイ「それじゃ結局、別のかたちの、もっと好感度の低い嘘吐きに見えるよね、アタシ」
友人A「ああ、そこに気付いちゃった?」

シラノ・ド・ベルジュラック大作戦

友人B「替え玉だね。ホンモノの男性に代わりに行って貰う」
シロイ「えーと、それって、向こうに着いてから話が合わなくてバレるのでは」
友人B「だからさ、シロイが徹底的に事前に今までの自分の会話内容を思い出して叩き込むの」
シロイ「きつい! それはきついぞ。そんな辛いことに付き合ってくれる酔狂なひと、いるかな?」
友人B「メリットがあればいいんじゃない。シロイの蓄積したモテ度数を、そのまま自分が使えるわけだから、現在恋人募集中の男性を探す。つまり、シロイはシラノなの。ロクサーヌに恋するクリスチャンをこれから探せばいいんだよ!」
シロイ「なるほど! 女顔の美形青年をこれから探すのか!!…………えーと、そんな知り合い、いませんけど。ていうか、そんなひとがいたら既にモテてるから、この作戦にメリット感じないのでは?」
友人B「ああ、そこに気付いちゃった?」

オペラ座の怪人は名作だ

友人C「仮面だな。仮面をかぶれば、顔から性別がばれることはナイ。そして、『オペラ座の怪人』は女性に人気の名作。仮面の好青年シロイは、イメージを壊すことなく登場できるし、なおかつモテる可能性もある」
シロイ「声は? あとは体つきは? ていうか、仮面かぶって原宿(オフの会場は原宿だったのです)に行くの、なんか恥ずかしいんだけど。ただの変人じゃん」
友人C「ああ、そこに気付いちゃった?」

男のシンボルがモノを言う

先輩D「いいこと考えたよシロイ。おれがお前にファウルカップ貸してやるよ」
シロイ「ファウルカップってなんですか?」
先輩D「判りやすく言えば金的ガードだ。おれは空手やるときに使ってる」
シロイ「話が見えません。私はそのような場所をガードする必要性を感じません」
先輩D「ガードのために使うんじゃなくて! ぴったりしたジーンズ穿いて、ファウルカップをその下に装着すれば、股間にふくらみが出現するだろ。そうすれば男に見える」
シロイ「いや、そのりくつはおかしい」
先輩D「そんなことないって。たぶん相手はまずシロイの顔を見て、『女じゃねえか』と思うだろう。でもその後に股間のふくらみを見れば『……でもあるなあ』と思う。そして最終的には顔と股間を交互に見比べながら『あるんだから仕方ない、シロイは男なんだ』という結論に達してくれる筈だ」
シロイ「なんかそれヤダ。顔と股間を交互に見比べられる経験、絶対にしたくありません」
先輩D「ああ、そこに気付いちゃった? それはそうだよね、おれだって嫌だよそんな経験」
シロイ「……」

結論

宝塚の方々は本当にすごいなあ。
あとみんな、他人事だと思うと、勝手なことを言ってくれやがるなあ。