その1はコチラ。
メニューを開き、「価格」とか「値段」ではなく、「帰宅料」と書いてあることに驚きを隠せない我々。
「帰宅料……帰宅するたびに金がかかるって、それは果たして自宅なのか?」
「シロイさん……そういう野暮なことは言いっこなしで」
「とりあえず注文しよう。ベルを鳴らそう」(ピンクのテーブルの上には白い陶器のベルが置いてあったんですよ。乙女チックでございましょ?)
ちりりりーん。
「すみません、この『メイドのいたずらパフェ』ちゅーのは何がどういたずらなんですか?」
「えーと、これは作るメイドを指名できるんですよ。それで、メイドが自由にパフェを作るんです。どの子が作るかによって内容が変わるから、いたずらなんです」
「ほう……」
「今はわたくしひよこと、カウンターの向こうにいるCOCOROちゃんのどちらかが指名できます。ちなみにCOCOROちゃんの作るパフェはとっても豪華ですよ♪」
「こ、こころちゃん? うわ、すごいな、その名前。本名ですか?」
「いえ、もちろん違いますよ」
みたいな会話の末にサリコさんがその話題のいたずらパフェを、私が日替わりケーキセットを注文。
気になる味に関して、まずケーキのほうから。
これははっきり言って、美味しくはなかったです。私は食べきれず残しました。
ただ、美味しいケーキ、ハイレベルなケーキを食べたければ、他にいくらでも店はあるわけで、萌るんにやってくるご主人様たちはそんなものは求めていないわけですから、この味はこれで成功なのでしょう。
「最近お菓子作りに挑戦し始めたけど味には自信のない女の子ががんばって作ってみたケーキ」というかんじです。
デコレーションは可愛らしいのがいっそう「がんばった感」を醸し出しています。
パフェは普通においしかったようです。ただ、パフェって不味くすることのほうが難しいですからね。
COCOROちゃん製作のいたずらパフェはトッピングがかなり凝っていて、見た目も非常にかわいらしく、こちらは「クラスで一番お菓子作りの上手な女の子が家庭科の時間に作ったクッキー」みたいな安心感を漂わせていました。
カウンターで一生懸命パフェ作りに挑戦しているCOCOROさんの姿が見れるのも、大きなサービスポイント。
ところでその日一番の衝撃は、会計の際、ふとレジ脇を見た瞬間に訪れました。「2月1日、絶対領域解禁!」と記された掲示。
「黒いコーヒーゼリーをニーソックスに、プリンを乙女のふとももに見立て、可愛らしくデコレーションしたデザート。それが絶対領域です。
ニーソックスに包まれた乙女のふとももを、是非味わってみてください。あなたのニーソ愛を確かめる一品」みたいな文章がそこには。
ニーソ愛という単語が私の脳内辞書には記載されていませんでしたから、一瞬
「な…何を言ってるのか わからねーと思うが、おれも何を言われたのかわからなかった…」
とポルナレフになってしまう私。
その後、遅れてきた理解に衝撃を受けながら、
「ぜ、絶対領域ってこれ……ワイセツですねマジで」
思わずそんな風に口走るとメイドさんは
「いや……そんな……(一瞬のためらいの後)ワイセツですよね、ほんと」
と同意してくれました。ほんの少し、表情が素に戻った気がしました。
店をでるときは再びプロの愛くるしい笑顔に戻るメイドさん。
「またいらしてください。いってらっしゃいませ、お嬢様」
と声をかけてくれました。実際にはこの台詞には軽く矛盾があったりするわけですが、そういう矛盾を踏み越えながら生きている彼女たちは掛け値なしに輝いていると思います。
とりあえず、ひよこさんもCOCOROさんも、接客してくれたメイドさんは皆とてもかんじの良い可愛らしい女性でした。
つややかなロングヘアがさらさら、接客態度は丁寧で親しみやすく、受け答えにも機転が利いていて、性格が良さそう。
そうそう、「萌るん」は毎月8日は「メガネの日」でメイドさんが全員メガネをかけてくれるそうです。 「萌るん」の入っているビルの一階にはメガネストアーがあるのですが、なんらかの提携がそこに存在していたりするんでしょうか。
あと、22日は「ネコミミの日」でメイドさん全員が手作りのネコミミでお出迎えしてくれるそうです。手作りというポイントが強調されていましたが、私にはそれが何故だかよくわかりませんでした。
後書き
余談ですがわたくし、この日記を書くために「もえ」と入力したらちゃんとうちのPCが「燃え」と変換してくれてすごくすごく安心しました。
まだまだ自分は真人間を自称してもよいのだなと思えました。