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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その10〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 本文 2007年5月27日の日本ダービー。 セキゼキさん(仮名)と私は、コースの内側から、レースを観戦していました。 1番人気馬と2番人気馬が興奮してオーバーペースで潰れる中、自分のペ…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その9〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 本文 ドアの閉じる音が聞こえた瞬間、私はびくっと体を震わせて、目を覚ましました。 (いかん、またトイレで眠ってしまった) 2008年の夏、セキゼキさん(仮名)の病気が悪化した影響で、私…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その8〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 本文 セキゼキさん(仮名)が初めて真剣に見た競馬のレースは、1991年の有馬記念でした。 競馬ファンの方ならそれがどんな意味合いを持ったレースだったのか、もうお分かりでしょう。 91年の有馬記…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その7〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 本文 2008年7月1日の夕方。 私は帰宅後、久しぶりに自分で食事の用意をしていました。 まだ不安は拭えないものの、それでもとにかく復職までこぎつけたセキゼキさん(仮名)のために夕食を作ってお祝いを…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その6〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 本文 薬が効き始めたからといって、何もかもがきれいによくなるわけではありません。 少しずつ眠れるようになってきてはいましたが、それでもやはり、闇と共に訪れる恐怖と不安に、セキゼキさん(仮名)が押しつ…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その5〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 本文 あの頃の私が生活の中で、一番楽しみにしていたのは、「午後出張」でした。 帰社せずに直帰できるのが純粋に嬉しかったというのもありますが、何よりも電車の中で眠れるのがありがたかったのです。 普段通勤で使…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その4〜

これまでの分 その1 その2 その3 本文 セキゼキさん(仮名)が繰り返し逃避行を続けた2008年3月27日から28日の二日間を、後に私たちは、「魔の二日間」と呼びました。 セキゼキさんにとってはこの「魔の二日間」は暗くて重い渦のようなもので、未だにしっか…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その3〜

これまでの分 その1 その2 本文 やっと帰ってきたところで、大袈裟に騒ぎ立てたら、セキゼキさん(仮名)はまた外に飛び出していってしまうかもしれない。 そう考えた私は、できるだけ何気ない風を装って、 「おかえりなさい。どこに行ってたの?」 と尋ねま…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その2〜

その1はこちら。 本文 あの晩、私たちはぐるぐると当てもなく三時間ほど歩きまわりました。 セキゼキさん(仮名)は落ち着いたのか、それとも疲れたのか、「もうダメだ、早く終わりたい」と繰り返すのをやめ、黙々と歩くようになっていました。 気がつくと、…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その1〜

2008年3月27日木曜日。 16時頃、私の携帯に、セキゼキさん(仮名)からメールが入りました。 今シロイの最寄り駅の近くにいるから 帰る頃メール欲しい。迎えに行きます 平日のこんな時間、勤務中の筈のセキゼキさんが、一体なぜこんなメールを……? 何かおか…

大和撫子の声 その2

モテてモテてしょうがないが故に、人生がたいへんなコジョウ・ミミエ(仮名)さんのお話第二話でございます。 第一話はコチラとなっております。 考察「大和撫子の声について」 今更これを言うのはなんなんですが、実はミミエさんは際立った美人というわけで…

大和撫子の声 その1

「あなたはモテたいですか、それとも全くモテないほうがいいですか?」 と問われれば、それはやっぱりモテたいと答える人のほうが多い気がするのですね。全くモテない方がいいです私はモテなんて邪魔です、とか言う人はあんまいねーだろーな、つーか。 でも…