wHite_caKe

だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

戦い済んでも日が暮れない

ハチミツひめ完結編を書こうと思っていた矢先に体調不良です。
背中は痛いし、風邪だし、腹痛いし、吐き気がします。
そしてこういうときって、頭が全然違う方向に働いちゃうのですよねえ。
書くべきもの、書きたいこととか、全部消えちゃって、私の頭の中を占拠するのは、まるで別の思考です。


イメージというものの持つ力は、我々が考えているよりもはるかに偉大なものであるそうで、風邪のときも白血球の活動が活発な様子を思い描くと、実際に免疫系の機能があがるらしいじゃないですか。
というわけで、私は体調不良になるたび、脳裏で必死に白血球の活躍を思い描くわけですよ。他に考えるべきことは全力で無視です。全集中力はそこにつぎ込みます。


「白血球の活動……悪い風邪のウイルスと戦う白血球……戦う白血球の活動……戦い……そうか、つまり戦隊ものか。
戦隊ものかー。特撮系ってあんまり好きじゃないんだよな。もっとSFチックな世界観がいいな。
SF世界の戦い……うん、だったらやっぱり、青少年に戦って欲しいですね。美形の。
『エンダーのゲーム』みたいなかんじかな? でもあれは私の好みから言うと登場人物がちょっと若すぎる。十代後半より上の年齢のひとたちがいいんだよね。
主人公は女の子がいいね、やっぱり。そんで、その女の子が戦いを通して成長していくようなストーリーだと嬉しいよなあ。
非情な戦場、戦いの場で力尽き倒れていく青少年たち、仲間の死にめげずにそれでも戦い続ける健気で凛々しい主人公。ううう、良すぎるぞこれは。
そうだね、そんでもちろん、敵対する風邪ウイルス側にも、彼らには彼らの正義、彼らの論理があったりして、主人公はそのことに気付いたりするんだけど、でもやっぱり戦いをやめるわけにはいかないのよね。だって悲しいけど、それが戦争だから!
あーそしてそして、こういうストーリーを漫画化するなら、ずばり私は田村由美先生に作画をお願いしたい! 『BASARA』や『7 SEEDS』のあのハードなかんじで是非是非是非!! 田村由美絵の女の子があのでっかい瞳で、前を『きっ』と見据える感じが私にはたまらなくツボなのであるからして! あーっ、そしたらそしたら、脇役には『BASARA』の聖さんに似たタイプのクールキャラが絶対ひとりは欲しい。年齢は二十代中盤から後半で。
白血球たちの武器は基本的に剣が推奨だけど、槍使いと弓使いも欠かせないし、銃使いも欲しいし、実は鞭の使い手もいて欲しい。剣にもバリエーションがあったほうがいいから、、小太刀とか大剣とかレイピアとかいろいろ考えたいよね、もちろん日本刀はなきゃ駄目だし、あー、ハンマー使いが必要なのかどうか迷うなー。あとはねー、あとはねー……(以下延々と続く)」


みたいな妄想夢物語をね、とりとめもなく描き続けるのがここ数年、私にとっての病人ライフなんでございますよ。
それで、うがいをしたり、ビタミンをとったりするとなんとなく、
「戦いの最前線に救援物資を送ったぜ」
みたいな気持ちになって、またも無闇に気分は高揚するんでした。


ところがですよ。
医師免許を持っている友人マオカ(仮名)に最近、念のためにこの行為の是非を確認してみたところ、
「なにそれ……そのイメージ、絶対に免疫系の強化には役立ってないよ。だいたいそれ、もう白血球とは全然違うものを考えちゃってるじゃん」
と一刀両断されました。
「そんな。たしかに私は擬人化をちょっぴりやりすぎているかもしれないけど、でもほら、戦いを思い描くこと自体は間違ってないんじゃない? ちょっとは役立っているはずでは?」
「いや、それはないでしょ。そもそも白血球の寿命って普段でも数日くらいだから戦いをくぐり抜けた成長とか絶対にありえないしさー。それに白血球は敵を倒すときは相打ちが基本なんだよなあ。主人公は最初の戦いで死亡確定だよ。イメージとしてはスズメバチに巣を襲われて、反撃にでたミツバチみたいな感じ?」
「わ、私のイメージと、全然違う……共通点がまるでない……それじゃ、私がしていたことは一体なんだったのか……」
「何っていうか……つまり無駄だったんじゃない。むしろ、そんな無関係な妄想で頭を溢れかえらせることにエネルギーを費やしたりしてたら、かえって逆効果だったかもね」
なんということでしょう。
これでは私は、まるで馬鹿みたいじゃないですか。激しく馬鹿みたいじゃないですか。
苦労しながらいろんなストーリー考えてみたのに。


というわけで。
今私は風邪をひいており、全身がだるく、体の節々&喉が痛んでおりますが。
何も考えずに、もう寝ようかと思います。