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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

駄目出しサンドイッチ

引っ越す前、私のアパートは、偶然にもH先生(仮名)の住まいの、すぐ近くにありました。
引っ越しを決めたら、新しいアパートが、偶然にもセキゼキさん(仮名)の家の、すぐ近くであることが判明しました。
どっちもピュアに偶然です。
こういうとき、私はギャンブル運はからきしであるけれども、ナニカに遭遇する運は強めな人間であるのだなあと実感します。


てなわけで。
引っ越し前の荷造りをH先生が手伝ってくれることになり、引っ越し後の荷ほどきをセキゼキさんが手伝ってくれると申し出てくれて、たいへんラッキーだったわけですがー。

引っ越し前の荷造り中 H先生と交わした会話の一例

「……シロイさん、ベッドの枕元にある、これはなんですか?」
ウナコーワです。虫刺されのとき、すぐ塗って寝たいから、そこに置きました」
「捨てますからね」
「えええっ、駄目ですよ捨てちゃあ」
「駄目なのは、駄目なのはっ、シロイさんでしょ! 今が何月だと思っているんですかっ。もう何ヶ月このウナコーワ使っていないんですかっ。どうしてそんなものを枕元に置いてあるんですかああぁ」
「でもでも、また次の夏が来たら、ウナコーワ使うし!」
「うるさい黙れ、わかった、次の夏にはぼくが新しいウナコーワ買ってあげるから、これは捨てさせてください。そしてこんなんだから部屋の片づきが遅いって気付きなさい!!」
「駄目です、駄目です、ウナコーワは水色で綺麗な薬だし、塗るとすーっとしてキモチイイし、私はウナコーワが好きなんです。愛しているんです、だから捨てたりしたら裏切りの罪で私は苦しむにコトになるんです!」
「わけのわからないことを……じゃあ、こっちの高校時代の古い生徒手帳は捨てますよ。てか、なんでこんなものがあるんですか」
「だ、だめえ、それも捨てちゃだめえ」
「だからなんで駄目なんだよ、なんでこういう見るからに使わない、使えないものを捨てちゃ駄目なのかはっきりさせろおおおお」

引っ越し後の荷ほどき中 セキゼキさんと交わした会話の一例

「とりあえず、家具の配置決めしたら、本棚の前に本の段ボール、タンスの前に服の段ボール置いて、それから箱を開けよう。オーケー?」
「了解しました、セキゼキ隊長。ところでこの段ボール箱はとりあえず本棚の前で良いでしょうか? 『本・スカート』と書いてあるんですが」
「……待てシロイ。なんで本とスカートが同じ箱に入っているんだ? って、あああっ? こっちの箱にも『本・スカート』って書いてあるぞ? そしてこっちの箱は『本・バスローブ』だあ? どーして君は、本と衣類を混ぜて箱詰めした?」
「いやほら、なんつーか、段ボール一箱をぎっしり本で詰めると、重くて運ぶひとが腰いためますからあ。生活の知恵?」
「何が生活の知恵だ。ただのカオスじゃねえか、これ」
ギリシア神話では、世界は混沌から始まっているからなあ……」
「わけのわからないことを言って攪乱しようとするのは止せ。そしてこっちのやけに軽い箱は……おい、なんでこの大きさの段ボール箱にセーターが一枚しか入ってないんだ?」
「あら、気付きませんで。世の中には不思議なことがあるもんですなあ」
「他人事のようにさらっと言う。詰めたのは自分だろうが」
「ええまあ、そうなんですけど」
「き、君は、ほんとは全然、しっかりした人間じゃないだろ。むしろすっごく迂闊でおおざっぱで、そそっかしい人間だろう」
「失礼な! なんてことを言い出すのかと思えば。私は一度だって自分がしっかり者であると自称したことなどないわっ! むしろひとに聞かれればいつだって、自分がいかに粗忽者であるか、きちんと説明しておるわ。勝手に周りの人間が私をしっかりしていると思いこんだのなら、それはむしろ私ではなく、他人の責任ではないか!!」
「やかましいっ!!」


といった具合に、すごいイキオイでお二人から駄目出しをされました。二人の人間からこれほど痛烈に駄目出しをされる自分は一体どれだけ駄目な人間なのかと、私は心底びびりました。


とりあえず、引っ越し後一週間、部屋もほとんど片づき、ネットも開通いたしました。ブログも再開でございます。これからも駄目駄目にもほどがある文章を、無駄に大量生産していきたいと思います。よろしくお願い致しますね。


そしてH先生、セキゼキさん、引っ越しの手伝い、どうもありがとうございました。
ご迷惑をおかけしてしまい、たいへん申し訳ありませんでした。
今度、お礼にメシでも奢らせてくださいな。ほんでは。