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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

見知らぬあなた(でもあなたは私のことを知っているのよね?)への手紙

拝啓
ジャパニーズ・ピーピング・トム様


春寒の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび私、転居することとなりました。


理由は誰よりもトム様が一番よくご存知のことと思われます。
私がこのアパートに引っ越して以来、半年以上、あなた様に風呂場の出入りを覗かれていたらしきことが原因でございます。


トム様の工夫では、風呂場自体を覗くことはままならず、せいぜい私が風呂に入る前と入った後のわずかな時間に室内を垣間見るのが精一杯だったかと思われます。私は帰宅の時間も、入浴の時間も不規則でありましたゆえ、労力に見合うだけの収穫は得られなかったことでございましょう。
とはいえ、半年はたいへんに長うございます。
見られて減るものじゃない、というご意見には同意いたしますが、それにしたって半年以上タダ見というのは、いささか人の道に反する振る舞いであるように思われます。少しばかり観覧料を支払っても、決して罰が当たるようなことはありませぬのに。もちろん、それで問題が解決するわけではございません。基本的にこの手の行為は、相手の同意を取り付けて行うべき事柄でありますゆえ。相手の同意を取り付けるために、金銭を用いることは一つの手段であると思います。
私の場合は、金銭は要りませぬので、そもそも覗いて欲しくはありませんでした。プライバシーの侵害にもほどがあります。私が風呂場で筋肉少女帯の『日本印度化計画』を歌っていたとき、トム様にそれを聞かれていたのかもしれないと思うと、私は今すぐあなたの額に、「ぼくは卑しい覗き野郎です。みなさまに罵られることが歓びです」といった内容の入れ墨を彫って差し上げたいという思いに駆られます。


このようなことでしたら、トム様が目を押し当てていたであろうあの覗きスポットにトリモチまたはマスタードを塗っておくべきだった、あるいはガラス片を仕込んでおくべきだったとつくづくと思います。良いアイディアというのは、決まって手遅れになってから思いつくものですね。卑小な我が身が恨めしゅうございます。


引っ越しを決意してから、実際に引っ越すまでの日数が短すぎましたので、こちらにも不手際が多く、入居後一週間はネットが使えないことと相成りました。当然、ブログの更新も止まってしまうことでしょう。それもこれも全部トム様のせい……というのは言い過ぎでしょうか?


ああ、文章がまとまらなくなってしまいました。
とにかく、私が言いたいのは、今後私はトム様の人生が幸少なからんことを願い続けますということなのです。


それでは今後、あまりご自愛なさらないでください。できれば命には関わらないけれど、とてつもなく恥ずかしい思いを味わうようなトラブルに巻き込まれてくださいますよう、お願い申し上げます。乱筆乱文ご容赦。
あらあらかしこ シロイ・ケイキ


追伸 可能性は低うございますが、今後もしも私が道端で藁人形を拾うようなことがあったら、トム様のことを考えながら丑の刻参りをさせていただこうと、心に決めております。そのときはどうぞ、よろしくお願いいたしますね。