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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

脳内ラジオのための百人一首解説

前回の日記を自分で読み返して、さすがに百人一首の現代語訳や解説一切なしってのは投げっぱなしジャーマンにもほどがあると思いましたので、その後シロイ流現代語訳を一応作りました。ほんとに一応。
私自身は特に古文の世界に造詣が深いわけでもありませんので、かーなーりいい加減な訳ですけど、感じはつかめるかと思います……つかめるといいなあ。
あまり本気にしないでね。

忍ぶれど 色に出にけり我が恋は 物や思ふと 人の問うまで

シロイ流現代語訳:

隠しておくつもりだったんだよ それでも駄目だった
「何を考えてるの? 何かあったの?」
そんな風に訊かれてしまうくらい あなたを思う気持ちが ぼくを変えてしまったんだ

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらえば 忍ぶることの 弱りもぞする

シロイ流現代語訳:

ねえ私もう 命なんて要らない いっそ終わってしまえばいいの
このまま生きることに何の意味がある?
そんなことになれば、いずれこの気持ちを隠し続けることが出来なくなってしまう
私はそのことのほうが ずっと怖いよ

月見れば 千々に物こそ悲しけれ 我が身一つの 秋にはあらねど

シロイ流現代語訳:

月を見ているといろいろなことを思い出してしまうね
悲しいことばかりたくさん 考えてしまうよ
秋はぼくひとりのものじゃないってわかってる それでも

忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな

シロイ流現代語訳:

捨てられて忘れられるのね私 別にいいけど
でもね、あなたは言ったじゃない
「君を裏切ることがあればぼくは死んでもいい」って
「そんなことになったらいっそ殺してくれと神に誓う」だなんて
大げさな約束をしてしまったじゃない
だからそのことだけは考える
約束どおりあなたが死んでしまうのは惜しいなって そのことだけは考えてしまうよ

瀬をはやみ 岩にせかるる瀧川の 割れても末に 会わんとぞ思う

シロイ流現代語訳:

川が流れて
岩にさしかかって、引き裂かれて、それでも最後にはめぐり会う
あれがぼくらだったならと思った
別れなければならないぼくたちも あんなふうに会うことができれば


最後には君に会いたいと願う 今は離れても
最後には君に会わなくてはと思う 今は遠くても
最後には君に 君に会わせろ

大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立

シロイ流現代語訳と解説:
天才歌人和泉式部の娘である小式部内侍が歌合わせを控えていると意地悪なオッチャン(藤原定頼)に
「ちゃんとママ助けてってお手紙書いた? お返事ついた? 大丈夫なの、できるわけ?」
といやんなかんじにからかわれたので、その場でとっさに返した歌。

大江山を越えて 幾野の道を越えて いくつもの野を通って
母の住む地がどれほど遠いのかご存知?
天橋立を踏んだことがないように
母からの文だって見ていませんのよわたくし

地名を盛り込み、掛詞を多用したテクニカルな歌でかっちょよく返歌した小式部内侍の機転と気丈さに、おっちゃんはたじたじになりましたとさ。なんて気持ちのいいエピソード。小娘をなめんなよ。


これらの訳と解説は本当にいい加減なものですし、意訳にもほどがありますんで、決して真に受けないように。
平安の歌人たちの心情が、かなり現代人チックなものになっていますし。
でもとりあえず、この訳を考えている間は、けっこう楽しかったです。ちょっといい経験。