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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

死体処理のハウツー

先日私は「地球上の誰かが、ふと思った」という記事を書きまして、内容を要約すると「男のひとって力が強いから、力の弱い女性が愛されたとき、腕力ではかなわなくてレイプされたり殺されたりするかもしれない危険があるかもしれないとか思っちゃうんだよねえ」みたいな内容だったわけですがー。


ただ、私は実際には誰かと一緒に暮らすっていうのは、そのひとは自分を簡単に殺せるということを覚悟して受け入れ、それでも相手を信頼することだと思っているので(極端思想)、女が男を殺す場合だってあるだろうねえとかも思ってますよ。
計画をきちんと練って、方法を検討すれば、殺人も別に肉体労働じゃなくなるから、体力差も関係なくなるよね、みたいな記事も、以前書きましたしー。
私たちが住んでいるのは、親しい誰かが、親しい誰かを殺す世界でございます♪


そんで、そんなことを考えているうちに、前の彼氏の××さんと付き合っているときに交わした会話のことを思い出しました。
なんというか、二人の話題がどういうわけか、「バラバラ殺人」になったことがありましてね。
いや、どういうわけかと言いつつ、その話題を持ち出したのは私だったんですが。

回想されるカップル(当時)の会話

「バラバラ殺人のメリットは死体の運搬がしやすくなること。だからバラバラ殺人の犯人は女性であることが案外多い。女性にはまるまる一体の死体を運ぶのは大変だし、料理をするひとが多いので包丁や血や切断という行為に慣れているから、そういう発想をしやすいそうだ」
などと、さわやかに晴れ渡った日曜の朝にふさわしい話をする私。
そしてそんなことを喋りながら
「しかし包丁だけじゃ刃が駄目になっちゃうから、のこぎりもいるなあ。血抜きもしたほうが作業がラクだろうな」
などと××の身体をちらちら眺め、実践的なことを考えてしまうのでした。


「もしもシロイがぼくを殺すようなことがあっても、バラバラにはしないよね?」
と××が不安げな眼差しで尋ねました。私の心を読んだのでしょうか。
「いやー、私は平和主義者だから、君を殺さないよ安心して。できれば一生誰のことも殺さずにいたいな、と日々願ってますしー。でもさ、殺してなくても死体をバラバラにせざるを得ない状況ってのがあるかもしれないじゃん」
「ないよ!」
「あるって……たとえば君と私が喧嘩して、君が向こうの部屋に行ってしまい、私が様子を見に行くと、君が倒れてるの。しかも嫌がらせのために私がさっきスイカを切るために使ったばかりの包丁を胸に刺して。脇には血文字で『シロイ』って書いてあるわけ。だから私は『大変だ。このままじゃ私が犯人にされてしまう』と焦って死体を隠すことになり……」
「その前に救急車呼べよ! 放置するなよ!! ぼくを殺す気か!!!」
××から激しいツッコミ。
「えー、救急車呼べば助かるもんかなあ?」
「助かるよ!」
「そっか……」
私はそこで腕を組み、少し考えてから言いました。
「じゃあ、私が見に行ったら君は既に息絶えてたんだよ。だから私も仕方なく死体の処分を……」
「うわあーん、だからってなんでバラバラなんだよう」
「だってバラバラにしないと運べないよ……でもそうだね、ただバラバラにされて死体を遺棄されたんじゃ、君も気の毒だ。ちゃんと死体を有効利用するよ。せめてもの供養に」
「ゆ、有効利用ってなんだようっ」
「えー、決まってるじゃん、死体の有効利用っていったらそりゃあ……」
「わーっ、もういい。聞きたくない。ていうか、有効利用でもなんでも、バラバラにしないでよ! ぼくがかわいそうだと思わないのかっ」
「だから殺さないって言ってるじゃん。殺してバラバラはかわいそうだけど、もう死んでるから仕方なくバラバラなら、かわいそうとはちょっと違うんじゃ」
「嫌だーっ。それでもぼくは自分がかわいそうだーっ。バラバラにはしないでくれえ」
そうなのか。私はちょっと驚きながら××の顔を見ました。バラバラにされるのって、そんなに嫌なことなのか。
「でもさ、君だってもしかしたら私の死体をバラバラにしなきゃいけなくなるかもしれないじゃん。かっとなって私をうっかり殺してしまったら、死体を処分しなきゃならないでしょ」
私がそう言うと、××は驚いたような顔をして
「え、そんなのしないよ。処分なんて」
と答えました。


「処分しない? バラバラにするのは嫌なの? だから料理の習慣身に着けておけばよかったのに……じゃあ死体どうするの? 冷蔵庫に入れておく? でもそれじゃお客さんの前で冷蔵庫開けられなくて不便だし、いくら冷蔵したっていずれ腐って臭うんだよ」
「冷蔵庫になんか入れません! どうせぼくはそうなったら捕まっちゃうよ」
「ええっ。逃げないの?」
「逃げても捕まるよどうせ」
「何言ってるの! どうしてそんなやる気のないことを……わかった。じゃあ死体をバラバラにしなくてもいいから、長野かどっかの山中に埋めてくればいいでしょ」
「でもその死体が見つかったら、シロイという最近姿を消した女性と身体的特徴が一致することがどうせばれるし……」
「なんで見つかりそうなところに死体を隠すの! ちゃんと深く埋めればいいでしょ。大体どうしてすぐ『どうせ』っていうの!」


私は懸命に××を諭しました。
「大体ねえ。首を切断して身体と首を別々の場所に隠すだけでも大分身元がばれにくくなるもんなんだよ。私は犯罪歴がないから指紋も登録されてないのが幸いだね。指紋を削る必要はないってことだ。歯科医の治療記録もないから*1、万が一首が見つかってもそこから私に辿り着くのは難しいんだ。希望を捨てずにがんばろうよ! もうバラバラなんて、そんな難しいこと、私は君に求めない。だけど首を群馬、身体を長野とかに埋めることくらい、できるはずでしょう?」
「やだよー、警察から逃げるのは難しいよ。どうしてぼくにそんなことを求めるんだよう」
「君に敢えて困難にチャレンジする果敢な人間であってほしいからじゃない! 時効まで逃げ切ってよ!! 刑務所の生活は辛いものだっていうし、君がそういうのに耐えられるとは思えないしー」
「シロイは首切られても気にしないの? 嫌じゃないの?」
「それはもう死んでるんだから気にしないことにするよ。仕方ない………………あっ。
忘れてた。これ、君が私を殺す前提の話だったよね。駄目だよ私を殺しちゃあ。それは気にするよ。酷いことするね君」
「なんでだよ、ぼくシロイを殺すつもりなんて一言も言ってないじゃん。それはシロイが勝手に作った前提条件じゃないか。酷いのはシロイだよ」
「あれ? 言われてみればそうだなあ。酷いのは私だ。ごめんごめん。それじゃ死体の処理は無理に行わず、物盗りの犯行に見せかけたほうがいいというのが、本日の結論ですかね?」

回想終了。そして現在

今思いついちゃったんですけど、私が振られたのって、この会話が原因じゃないですよね?
××が「シロイと付き合ってると危ない。殺され&バラバラにされたらどうしよう」とか焦ったワケじゃないですよね? ねえちょっと、急に不安になってきたよ! こえー、超こええ。

*1:会話当時はなかった。その後、歯列矯正のために歯医者に通ったので、今は治療記録あります。私の死体を遺棄する予定がおありになる方は、そこを考慮に入れたほうがよいかと。ただ、できれば殺さないでください。懇願します。マジ殺さないで。