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だらだら書きますので、だらだら読んでもらえるとありがたく。

『タッチ』と『CIPHER』と双子の小宇宙

幼い頃の印象的な記憶の一つに、『タッチ』のアニメで和也が死んだ日というのがあります。 その日私は父が泣くのを初めてみました。アニメの内容だってショックではありましたが、父が号泣して放送終了後も長い間テレビの前で悲しそうにうなだれていた姿のほ…

自分の敵は自分だけど味方も自分

睡眠中に尿意を催すと、トイレを探す夢を見ます。 見つかったと思うと人が長蛇の列をなしていたりやたら汚かったりしてまた別のトイレを探すことになり、そうこうするうちに目が覚めて現実のトイレに行って解決、というのがいつものパターンです。 あれって…

投げっぱなしキャッチボール

はじめに 当ブログはしばしばかつて実際に起こったことを元ネタとしつつも、「大事なことは話が面白くなることだ、私は事実よりも娯楽性を重んじる!」というシロイの歪んだ信念によって、事実をある程度改変しています。なのでしょっちゅう「フィクションと…

とりあえず始めますよね

とりあえず始めますよね。 なにをって、つまり書きはじめるってことなんですけど。うわ、この文、異常に段取りが悪い。 それも無理もない話なんです。事前に考えてないからこうなるんです、泥棒が来てから縄をなってんですよこちとら。 ダメだな。やっぱりわ…

雪のバス停

雪が降ると、北で育った子供の頃のことを思い出します。 中学生のときのことです。その日は朝から雪が降り続けていました。 帰り道、私がバス停に行くと知り合いのおばあさんが、にこにこと話しかけてきました。 一時間に一本しか通らないそのバスは利用者も…

スラムダンク夫論

「スラムダンクに関して、一つ不思議なことがあってね」 私が言うと、セキゼキさん(仮名)がちょっと嫌そうに顔をしかめました。 「なんで今更スラムダンクなんだよ……」 「いやいや、今更だからこその疑問ですよ。つまりね、スラムダンク連載中って、けっこ…

でぶっちょシンデレラ あとがき

ツイッターでは前回、「今年最後の更新」などと言ってしまったのですが、ちょっとだけ付け足しをいたします。 私の父シロイ・ネコヒコ(仮名)は昨年、他界いたしました。 いずれ訪れる別れと知りつつも、しばらくは悲しくて悲しくて仕方なかったです。 父の…

でぶっちょシンデレラのおはなし

はじめに 遠い昔、布団の中で絵本を読み聞かせてもらいながら寝かしつけられていた時代が、私にもありました。 そして、我が父シロイ・ネコヒコ(仮名)は時折、どんな絵本にも載っていない、オリジナルおとぎばなしを作って、妹と私に聞かせてくれました。 …

六道輪廻スープに酔いしれろ!

私の節約術として一人暮らし時代に活躍していた「六道輪廻スープ」について書いてみます。 一人暮らしだと自炊って実はあまり安くない、というのはよく言われます。安さだけを追求するなら激安惣菜だの弁当だのを買ってきて食べる方が確かにお金はかかりませ…

消えた女の子

私が子供の頃住んでいたのはたいそうな田舎だったのですが、その中でも我が家は更に辺鄙な場所にありました。 幼稚園に入るまで、妹と私はお互いだけが遊び相手でした。我が家の半径3km以内には、他に子供がいなかったからです。 そのせいでしょうか。 幼稚…

打ち合わせ中の睡魔対策

皆様にお伺いしたいのですが、打ち合わせの最中に睡魔に襲われた時など、どのような対策をとっているのですか? 緊張感が足りないという批判に対してはまったくそのとおりですねと同意しますし、そうです私がダメ人間ですと付け加えたいくらいなのですが、体…

スラダン、おお振り、山賊ダイアリーの枝葉末節な深読み

セキゼキさん(仮名)と漫画の話とかをすると、 「同じ作品のはずなのに、そんなこと考えてたんか!?」 とびっくりすることが多いんですが、今日はその中でも特に印象に残った有名マンガの3つの感想を紹介します。 『SLAM DUNK』彩子さんの思い人 「時々振…

妹への私信。クロスバイク購入に関するアドバイスをまとめてみたぞ

知人に、というか具体的に言うと妹に 「クロスバイクが欲しいんだけど、どれ選ぶのがええんじゃろー? いろんな自転車があって違いがわからん」 と質問されたので、返信メールを書いていたら我ながら気持ち悪いくらい長文化して、誰に何を語っているのかわか…

二人目。カイちゃん(仮名)とそのまわりのおはなし その3

長々と続けてまいりましたモシノセ・カイ(仮名)ちゃんのお話は、本日完結いたします。 その1はコチラ、その2はコチラでございますので、よろしくお願い致します。 クモの巣で散歩 カイちゃんがサークルに顔を出すことはますます減り、二年の秋から三年の夏…

二人目。カイちゃん(仮名)とそのまわりのおはなし その2

その1はコチラでございます。 トーク・アバウト・ハー それからしばらくしたある日、上級生だけで集まったときのこと。 その日はまだまだお客さん状態の一年生の前ではできない、発表会や予算、学外活動の打ち合わせをすることになっていました わいわいがや…

二人目。カイちゃん(仮名)とそのまわりのおはなし その1

モシノセ・カイ(仮名)ちゃんの話をします。 クルハス・ヤミ(仮名)さんと縁が切れて一月と経たないうちに、私があらたに縁を結んだのがカイちゃんで、彼女もいろいろと思い出深い女性だからです。 とはいえ。 カイちゃんの話をするのは難しくてなんかいろ…

一人目。クルハス・ヤミ(仮名)さんのおはなし その3

クルハス・ヤミさんのお話の続きです。 その1はコチラ、その2はコチラでございます。 クルハスの異常な友情 それからというもの、ライメイ(仮名)と私が大学内で一緒にいるとき、突然クルハスが現れて話しかけてくることが増えました。 「ライメイ!」 クル…

一人目。クルハス・ヤミ(仮名)さんのおはなし その2

敬老の日が近づいて、「今週のお題は「おじいちゃん&おばあちゃん、ありがとう」です」とかはてなに言われてんのに何やってんだろうってかんじですが、クルハス・ヤミさんのお話の続きです。 その1はコチラ。 ダイヤルKをまわせ 夏休みも終わり、実家から大…

一人目。クルハス・ヤミ(仮名)さんのおはなし その1

私の顔は一言で表せば「人畜無害な間抜けづら」です。 別にそのことはね、いいんですよ。 もうオトナになってからだいぶん経ちますから、自分の外見に関する葛藤とかは、あまり持たないようになっています。 いいじゃないかMANUKEでも。おかげで他人様に初見…

いなかの、となりの、ひとごろし

盆休み、実家に数日帰省して「ホラーとしての田舎」みたいなものについて、なんとなく考えました。私の実家、ほんとマジど田舎なので。 私自身は田舎も都会もどっちのほうが特に好き、というのはあまりなく、どちらもヤナトコとイイトコあるよね、と思ってい…

名探偵は女王様の夢を観たのか(BBC「シャーロック:ベルグレービアの醜聞」ネタバレ)

ついについに待ち続けたBBC「シャーロック」セカンドシーズンの放映が始まりました。すばらしい。最高ですか最高ですよというかんじで、さっそく昨夜、第一話「ベルグレービアの醜聞」を観たわけですが。 ラストシーンについてちょっと考察したい点が出てき…

「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」をみて思ったこととか

ずっと見たかった「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」をやっとブルーレイでみれました。 とても面白くて、いろいろ考えてツイッターでぐだぐたつぶやいていたんですが、 「この量ならブログに書けば」 と言われたので、書いてみます。 ネタバレ上等です…

宇宙ひとつぶんの向こうで

ヒソダさん(仮名)はとてもいい人です。 いい人だよね、と言われる人は大勢います。というか世の人々の多くは、「どちらかといえばいい人」に入るのではないでしょうか。 ですから、「いい人」ってのは別に珍しい存在ではありません。 けれど、ある人にとっ…

こんな時だからこその福島の銘菓情報

今日、ツイッターで「こんなときだからこその福島の銘菓情報」をつぶやいてみたら、案外と好評でしたので、まとめなおしたものをこちらに掲載いたします。 福島のオススメ名物菓子を、私の独断と偏見で勝手に紹介! ぜひぜひお買い上げください。美味しいか…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その11〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 その10 本文 暑さがゆるみ、秋の涼しい風が吹くようになる頃から、セキゼキさん(仮名)の調子は、はっきりとよくなりはじめました。 もともとセキゼキさんは暑さと湿気にめっぽう弱く…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その10〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 その9 本文 2007年5月27日の日本ダービー。 セキゼキさん(仮名)と私は、コースの内側から、レースを観戦していました。 1番人気馬と2番人気馬が興奮してオーバーペースで潰れる中、自分のペ…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その9〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 本文 ドアの閉じる音が聞こえた瞬間、私はびくっと体を震わせて、目を覚ましました。 (いかん、またトイレで眠ってしまった) 2008年の夏、セキゼキさん(仮名)の病気が悪化した影響で、私…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その8〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 本文 セキゼキさん(仮名)が初めて真剣に見た競馬のレースは、1991年の有馬記念でした。 競馬ファンの方ならそれがどんな意味合いを持ったレースだったのか、もうお分かりでしょう。 91年の有馬記…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その7〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 その6 本文 2008年7月1日の夕方。 私は帰宅後、久しぶりに自分で食事の用意をしていました。 まだ不安は拭えないものの、それでもとにかく復職までこぎつけたセキゼキさん(仮名)のために夕食を作ってお祝いを…

二年間のハジマリとオワリとツヅキ〜その6〜

これまでの分 その1 その2 その3 その4 その5 本文 薬が効き始めたからといって、何もかもがきれいによくなるわけではありません。 少しずつ眠れるようになってきてはいましたが、それでもやはり、闇と共に訪れる恐怖と不安に、セキゼキさん(仮名)が押しつ…